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販売促進のキーマンが語る国産PCサーバー誕生秘話と革新の歴史

顧客の声からこだわりは生まれる!Express5800の20年を探る

2014年09月17日 15時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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【2004~2014年】仮想化と省電力、そしてクラウドへ

 Express5800 10周年目となる2004年を経て、2005年には「クラサバ市場」を秋葉原にオープンした。実物のサーバーを見られるリアル店舗型ショールームとして、NECならではの新技術やソリューションの認知度向上に大きな役割を果たしている。「ちょうどつくばエキスプレスが開業し、AKB48が誕生したくらいで、秋葉原が観光スポットになってきた時期。お客様のリクエストにメイドカフェを案内したり、地の利を活かした施策を手がけていました(笑)」(寺村氏)。周りがコンシューマ向け店舗ばかりで目立つのに加え、週末管理者を集めやすく、アンテナショップとして非常に成功したと評価する。

【2004~2008年】仮想化と省電力のテクノロジーへ

 2005年からは分散したサーバーを集約するための仮想化技術が登場。また、ネットビジネスやデータセンターの事業者が台頭し、省電力への対応が商品開発の鍵となってきた。こうした技術を取り込みつつ、2008年には、Express5800の累計出荷が100万台を超えるなど、PCサーバーがすでに当たり前の存在となり、社会インフラの基盤として使われるようになった。「この時期は、サーバー単体のアピールよりも、仮想化統合などシステム全体のメリットを説明するような施策が多くなりました」(寺村氏)。

 そして2010年からはいよいよクラウドコンピューティングの時代に突入。東日本大震災を境に、重要な社会インフラの1つだと認識されたデータセンターでは、さらなる省エネ化や高密度化が求められるようになる。また、ビッグデータやIoT(Internet of Thing)では、桁違いの計算能力が必要になっている。当然ながらExpress5800はこうした最新トレンドにもいち早く追従している。ここらへんはASCII.jpでの過去の特集や特設サイトで掲出する記事を読んでいただければ、理解してもらえると思う。

【2009~2014年】クラウドと社会インフラを支える

 このようにExpress5800シリーズでは、顧客の満足度を高め、他社商品と差別化すべく、チャレンジを続けてきた。「お客様の指名を待って、ただ漫然と商品を作っていたら、今のExpress5800はなかったと思います」とのことで、商品開発、施策などありとあらゆる展開を試してきた20年だったと寺村氏は振り返る。

 こうして20年をふり返り、Express5800とは改めてどんなPCサーバーなのか? 寺村氏は「お客様のニーズを先取って、半歩先に商品化している自負はあります。こんなのがあったらいいなあを実現しているサーバーだと思っています」と語る。省スペースのニーズに応え、奥行きを半分に縮めた1Uハーフサーバ、静音性という新しいフィーチャーに目を付けた水冷サーバーなどは、まさに顧客の声から生まれた商品。顧客の声から生まれるExpress5800のポリシーは20年経った今も変わっていないのだ。

「お客様のニーズを先取って、半歩先に商品化している自負はあります」(寺村氏)

 その上で、今回の20周年企画について寺村氏は、「この機会に、一度Express5800の歴史を振り返ることで、激動のPCサーバー市場の20年を身近に感じていただければと思います。でも懐メロに浸るだけではなく、今後のPCサーバー市場や私たちの目指す方向性など、この特設サイトを通じてさまざまな情報を発信していきたいと考えていますので、お客様や販売店様はもちろんのこと、まだExpress5800を使ったことがない方も、ぜひ皆さんにご覧いただきたいです」と力強く語る。

※1996~2013暦年国内x86サーバー(出荷台数、出荷金額) 出典:IDC Japan, Japan Server Quarterly Model Analysis CY14Q2(IDCではベンダー出荷実績の差が1%未満の場合、タイ=同位として扱う)

(提供:NEC)

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