佐賀県は、「佐賀県総合計画2011」において「先進的ICT利活用教育推進事業」を県の最重要施策に位置付け、教育現場での実証実験を開始してきた。
インフラ整備も推し進め、すべての県立学校で電子黒板と無線LANの環境を整えると、今年度の4月からすべての県立高校で学習者用パソコンを導入した。学習者用パソコンとして採用されたのは富士通製のタブレットPC「ARROWS Tab Q584/H 佐賀県学習用パソコン特別モデル」。OSはWindows8 Proを搭載し、ディスプレイは10.1インチのタッチパネル。「新明解国語辞典」や「ウィズダム英和辞典」、「全訳読解古語辞典」(いずれも三省堂)といった辞書ソフトがインストールされている。
タブレットPCの活用法は、たとえば朝のホームルームでの出席確認、本日の時間割や行事を確認。「英語表現」の授業ではデジタル教材の音声機能を使って、リスニングの学習。自宅に持ち帰り、学校からの連絡事項を家族に報告したり、課題レポートを作成したりする。
佐賀県では武雄市も積極的に取り組み、全小学生に向けてデジタル教育用のタブレットPCを4月に配布し、5月からタブレットPCを使った「スマイル学習(武雄式反転授業)」を開始。10月から小学校1年生向けにプログラミング教育を開始すると発表している。
このように地方自治体が教育現場にタブレットPCを導入しようという動きが進んでいる。IT化は国家戦略の1つにも掲げられており、ITに精通した人材の育成という面では、教育現場へのタブレットPCの導入は有効だと言える。しかし、一方では子どもに悪影響を与えてしまうのではないかと危惧する声も上がっている。今後はその是非が問われそうだ。