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スマホで始める「音楽アプリ部」 第56回

まさに初心者向けなシーケンサーアプリ

知識なしでも波形をいじればカッコいい音が出る音楽アプリ

2014年09月07日 12時00分更新

文● 藤村亮

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パッドを使ったライブ演奏はDJっぽくしたい人向け

 ここまででも一般的なステップシーケンサーとしての機能は充分備わっていますが、OsciLabにはセッティングしたループパターンをさらに感覚的に楽しめるライブモードがあります。

 ミキサー画面の上部、四角が6つ並んだアイコンをタップすると、ライブモード画面に切り替わります。

6つのパッドはそれぞれのトラックに対応し、個別にフィルタリングとオートフィルターのロックが可能です

 ライブモード画面では各トラックの音量やフィルターの動きなどを、トラック毎に割り当てられたXYパッド上でリアルタイムにコントロールできます。

 さらにここでは同一のパッド上の一点(ここではAとします)をタップしたまま別の点(こちらはBとします)をタップすると、Aの周りをBの半径で囲む円ができ、Aを中心に自動で周回するフィルターがかかります。

 このフィルタリングを生かすことで、曲の進行に合わせて別のうねりを加えたり、徐々にこもった音から明るい音にしたりといったDJプレイのような演出が可能となっています。オートフィルターのロック機能を併用すれば、6トラックすべてに同時にフィルターをかけることができるので、トリッキーなアレンジも楽しめます。

OsciLabは超感覚的なステップシーケンサー

 プリセットのシーケンスパターンや波形バリエーションなどがとにかく豊富に用意されていて、適当に切り替えていくだけでもそれっぽくなる感触は充分にあります。

 シンセトラックのフレーズも音程も各トラックの大ウインドウのポインターを上下左右に動かすだけで出来上がってしまうので、小難しく考える必要もなく、オリジナルのフレーズを生み出してくれるので飽きずに楽しめると思います。

 リズムトラックはリアルタイム入力を使うとさながらリズムゲームのような感覚で入力ができ、不必要な部分を後から省いて理想的な形に持っていくことも簡単。

 音作りにおいても尖った音はギザギザ、柔らかい音はまんまる、と視覚的にも把握しやすい波形を組み合わせるだけなので「もっとギャーっと言わせたい」とか「もっとフワーっとさせたい」といったイメージをそのまま反映させることができます。

 細かくフレーズを作りこんでいくのは少しやりづらい部分があるので、偶発的に生まれるフレーズを次々と切り替えていくのがこのアプリの正しい楽しみ方でしょう。16ステップのシーケンサーという縛りを感じさせない、超感覚的なステップシーケンサーとして 、非常に楽しめるアプリでした。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。

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