レンゴーは9月1日、レアアースを使用せず可視光照射で発光する蛍光体「ガイアフォトンγ(ガンマ)」の開発に成功したと発表した。
LEDなど発光デバイスの多くが光の波長を変換する蛍光材を併用するが、既存蛍光体は必ずといってよいほどレアアース(希土類元素)を使用する。これらレアアース資源は輸入に頼ることから輸入元となる国の政策の影響を受け、価格の変動を受けやすい。
同社が開発したガイアフォトンγは、2012年に開発した「ガイアフォトン」の改良版で、410nmの可視光照射を受けて590~630nm(茜色から赤色)に発光する特性を持つ。可視光に光る蛍光体はこれまで350nm以下の紫外線発光LEDが必須だったが、可視光系LEDの組み合わせでも光の3原色表現が確立したことになる。
ガイアフォトンγはレアアースの代わりに銀を使用し、さらにゼオライトにイオン交換法で担持させるため、これまでの蛍光材のような焼成工程が不要なことから製造時に必要なエネルギーも少なく、価格はこれまでの数分の1以下になる予想されるという。
この開発成果は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成26年度希少金属代替・低減省エネ材料技術実用化開発助成事業として採択されており、同社では発光強度の向上や熱劣化特性などの研究開発を引き続き取り組むという。