業界人の《ことば》から 第107回
東京オリンピックのころにはクラウドといえばOracleを
データベースNo.1のオラクル、マーケティングリレーションでもトップを目指す
2014年09月02日 09時00分更新
今回のことば
「日本オラクルは、2020年までにNo.1 Cloud Companyを目指す。東京オリンピックのときには、クラウドといえば日本オラクルという状況を作りたい」(日本オラクルの杉原博茂代表執行役社長兼CEO)
クラウドといえば、日本オラクルを目指す
日本オラクルが、クラウドビジネスへの取り組みを加速している。
日本オラクルの杉原博茂代表執行役社長兼CEOは、「日本オラクルは、2020年までにNo.1 Cloud Companyを目指す。東京オリンピックのときには、クラウドといえば日本オラクルという状況を作りたい」と宣言する。
杉原社長によると、「オラクルはSaaSベンダーとしては2番目の規模を持つ」というが、まだまだクラウドでは後発との印象が強い。
Amazon Web ServiceやSalesforce.com、あるいはMicrosoft Azureといったサービスに先行を許しているといったイメージがある。
杉原社長は、「最初の3年間は足場を作り、次の3年でジャンプする。その際には、あらゆるクラウドサービスを日本オラクルは提供することになる」というプランを描く。
M&Aでクラウド領域への進出を強めるオラクル
日本オラクルは、それに向けてクラウド製品群を相次ぎ発表している。
ひとつは、クラウド型マーケティングプラットフォーム「Oracle Marketing Cloud」である。
「このSaaSソリューションは、マーケティング分野をターゲットとしたものであり、オラクルは過去2年間にマーケティング領域だけで7社の企業を買収している。ソーシャルマーケティング、コンテンツマーケティング、BtoBクロスチャネルマーケティング、BtoCクロスチャネルマーケティング、データマネジメントといった様々なソリューションを提供することができるのがオラクルの強み。これによってデジタル・マーケティング市場へ本格参入する」と語り、「データベースナンバーワンのオラクルが、マーケティングソリューションでもナンバーワンを目指す」と鼻息も荒い。
クラウド型マーケティングオートメーションプラットフォームの「Oracle Eloqua」、クラウド型クロスチャネルマーケティングプラットフォームの「Oracle Responsys」、クラウド型ソーシャルメディア管理ソリューションの「Oracle Social Cloud」に加えて、新たに日本で投入するクラウド型データマネジメントプラットフォームの「Oracle BlueKai」によって構成。マーケティング担当者の業務をシンプルにし、顧客視点のメッセージを届けることデジタルマーケティングプラットフォームになるという。
「日本のおもてなしの心を持った企業に、こうしたソリューションを活用してもらいたい」と語る。
この連載の記事
-
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400憶円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう -
第576回
ビジネス
リコーの新しい共創拠点RICOH BIL TOKYO、富士通やKDDIともつなぎたい - この連載の一覧へ