機能優先で開発が進むスマートフォンの世界では、まだまだバッテリー切れが課題になることが多そうだ。市場では、丸一日ヘビーにネットワーキングをやりたいユーザーのニーズに合わせ、超大容量のUSBモバイルバッテリーが登場してきている。
バッテリーを提供するメーカー側から見れば、生産技術の向上と出荷量の増大から、必然的に派生する急激な販売価格ダウンを避けるためにも好都合な方向性なのだろう。
そんな大容量志向の強いUSBモバイルバッテリー業界に、クラウドファンディングであるKickstarter生まれの“世界最小最軽量”クラスのUSBモバイルバッテリーが登場した。
今回筆者が衝動大人買いした商品は「Dovotec Fuel Micro Charger」(以降、microチャージャー)と名付けられた、重量たった18g、容量もたった220mAhの極小マイクロUSBモバイルバッテリー。機能最優先で生真面目なアジア系メーカーからは絶対に登場してこないアイテムだ。
最初の出荷がはじまったのは昨年。堅牢かつこだわりの金属ケースに収められたその外観はまさに「Fuel Can」(燃料缶)のミニチュアそのものだ。
そして、安全を考慮しながら小さな筐体に技術とパーツを詰め込むためにはそれなりの価格になってしまう。9月1日時点での価格は、米国内で24.99ドル(約2600円)だ。日本国内では発売されていないため、購入するにはこれに海外からの送料が加算される。
本体のみの2600円の出費を前提として、そしてデザインに対するこだわりを捨てれば、国内では25倍~50倍ほどの容量のある5000~10000mAhのUSBモバイルバッテリーを購入できる。
多くの情報通信技術系製品がそうであるように、USBモバイルバッテリーも重厚長大で低価格に向かう中、時には軽薄短小で高価格に向かう反骨商品があってもいいだろう。
(次ページに続く、「超小型な燃料缶型デザインゆえに……」)
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