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従来機種比で4倍の保護能力、Server 2003の移行にも活用可能なアプライアンス

1台で100システムのBCP、ノベル「PlateSpin Forge」新機種

2014年08月29日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ノベルは8月28日、事業継続計画(BCP)/ディザスタリカバリ(DR)アプライアンスの新機種「PlateSpin Forge 700」を発表した。ハードウェアを増強し、従来機種の4倍となる最大100システムを保護対象としている。

ディザスタリカバリ(DR)アプライアンスの新機種「PlateSpin Forge 700」

 PlateSpin Forgeは、仮想化技術を利用して、複数の物理サーバー/仮想サーバー上のワークロード(OSやアプリケーション、データ)を仮想マシンイメージとして集中バックアップするアプライアンス。本番サイトで障害が発生した場合は、内蔵するハイパーバイザ(VMware ESXi)上で各ワークロードを縮退稼働させることができ、ダウンタイムが短縮される(関連記事)。この内蔵仮想環境を利用して、復旧テストやリハーサルを行うことも可能。

BCP/DR対策イメージ。障害/災害発生時には、バックアップ済みのワークロードを内蔵の仮想環境で縮退稼働し、本番環境側が復旧した段階でフェールバックを実施する

 またP2V/V2V/V2P機能を備えており、物理/仮想環境間の違いを柔軟に吸収するため、復旧時に元の本番環境とは異なる新しい環境へのフェールバックもできる。この特徴を生かして、たとえばWindows Server 2003から新OSやプライベートクラウドへの移行など、サーバー移行支援にも利用できる。

データセンター移行における活用例。物理/仮想サーバーの混在環境から新しいプライベートクラウド環境へ、サービス停止を短時間に抑えつつ移行

 今回発表されたPlateSpin Forge 700では、搭載するCPUやメモリ、ストレージを強化し、最大保護対象を従来機種(Forge 500)比の4倍、100ワークロードに拡大している。また、搭載ソフトウェアのバージョンアップにより、保護対象として新たにWindows Server 2012/2012 R2、Windows 8/8.1、Microsoft Failover Cluster(MSFC)が追加された。

 PlateSpin Forge 700シリーズは、保護対象のワークロード数に応じて3モデル(10、25、40ワークロード)が販売される。市場推定価格(税抜)は756万円から。従来機種のForge 500も新版ソフトウェアを搭載した2モデル(10、25ワークロード)が販売され、市場推定価格は543万円から。

 なお、既存の各ワークロードが必要とするリソース量や、縮退稼働時に求めるサービスレベルなどによって、実際にアプライアンス1台で保護できるワークロード数や必要なWAN回線帯域は変わる。適切なサイジングを行うため、Forge 700にはアセスメントツールの「PlateSpin Recon」がバンドルされている(100ワークロード、30日ライセンス)。

“第4のバックアップ方法”としてまだまだ認知を広める

 発表会に出席したノベル 代表取締役社長 河合哲也氏は、最近の市場ニーズとして、Windows Server 2003のサポート切れやサーバー仮想化の普及を背景とした「既存システムの移行」と、それに伴う「バックアップ方法の見直し」「DR環境の構築検討」などを挙げた。

ノベル 代表取締役社長 河合哲也氏

 こうしたニーズに応えるため、従来はシステム二重化(DRサイト構築)、ストレージレプリケーション、テープバックアップといった手法が採られてきた。しかし、それぞれコスト面やシステム復旧時間(RTO/RPO)に課題を抱えており、これらを解消できる“第4のバックアップ方法”としてPlateSpin Forgeをアピールしていくという。「PlateSpin Forgeで、バックアップやDRにまつわる“常識”を覆していく」(河合氏)。

システム二重化、ストレージレプリケーション、テープバックアップと、PlateSpin Forgeの復旧時間(RPO/RTO)の違い。最も優秀なのはシステム二重化だが、膨大なコストがかかる。ノベルでは、これらのすき間を埋める“第4の方法”として、PlateSpin Forgeをアピールしている

 今回、中~大規模システムのバックアップ/DRに対応する機種を投入したことで、大企業向けや、リカバリサービス(RaaS:Recovery as a Service)を提供するサービスプロバイダー向けにも販売を拡大していく方針。河合氏は、PlateSpin Forgeの存在はまだまだアピールできるとして、販売目標は現状の倍以上に当たる「12カ月で5億円」を掲げている。

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