写ルンですや世界初のテープレコーダー「G型」なども未来に残すべき技術資料に
未来技術遺産、「写ルンです」やカメラ付き携帯を登録
2014年08月27日 18時39分更新
文● 行正和義
富士フイルム「写ルンです」(1986年)とシャープ「J-SH04」(2000年)
国立科学博物館は8月26日、世界初のカメラ搭載携帯電話やレンズ付きフィルムなどを“未来技術遺産”として登録した。
光学顕微鏡の先駆けとなった「エム・カテラ(M&KATERA)Ⅳ型」(左)、世界初の電子スチルカメラであるソニー「マビカ試作機」(1981年、右)
これは平成20年度から実施している重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)登録で、未来に引き継ぐのがふさわしい技術資料を登録しているもの。国内すべての科学技術を対象に、今年の49件を合わせて計184件が登録された。
世界初のテープレコーダー「G型テープレコーダー」(ソニー、1950年、左)、世界初の電子式手ブレ補正「ブレンビー NV-S1」(パナソニック、右)
今年登録された技術資料でもっとも古いものはサクラファインテックジャパンが製造し日本の光学顕微鏡近代化の幕開けとなった「エム・カテラ(M&KATERA)Ⅳ型」(1914年)、もっとも新しいものでは高エネルギー加速器研究機構(KEK)の「508.6MHz、1.2MW 連続波クライストロン(E3732、T62)」(2002年)などがある。
初めて漢字表示に対応した「電子システム手帳 PA-7000」(シャープ、1987年、左)、バック・トゥ・ザ・フューチャーでも使われていたVHS-C方式一体型ビデオムービー「GR-C1」(JVC ケンウッド、1983年、右)
身近なところでは、シャープ「J-SH04」(2000年)や富士フイルム「写ルンです」(1986年)のほか、日本初のテープレコーダーであるソニー「G型テープレコーダー」(1950年)や、世界初の電子スチルカメラやビデオカメラ、デジタルファクシミリ、漢字表示対応電子手帳などがある。
オフコンの分野を切り開いたパラメトロン・コンピューター「NEAC-1210」(日本電気、1966年、左)、世界初の事務用デジタルファクシミリ「リファクス600S」(リコー、1973~1980年頃、右)
9月2日には史料所有者を招いて登録証および記念盾授与式を行うとともに、9月2日から9月7日までパネル展示(一部実物資料展示)も行われる。
世界一安定で高出力の連続波クライストロン「508.6MHz、1.2MW 連続波クライストロン E3732、T62」(KEK、2002年)
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