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ドワンゴ×KADOKAWAの相乗効果と戦略

2014年08月21日 05時23分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 5月14日に経営統合を発表したドワンゴとKADOKAWA。すでに両社は2010年10月に包括的業務提携、11年5月に資本提携をそれぞれ行い、互いの関係性を徐々に強めてきた。13年3月にはドワンゴの子会社であったスマイルエッジを合弁会社化し、両社広告媒体の共同営業に取り組んでいる。

 両社の結びつきが意味するのは、ドワンゴの「niconico」を始めとしたさまざまなサービス及び高度なネットワーク技術と、KADOKAWAの書籍、コミック、映画、アニメ、情報誌、ゲームなどのエンタテインメント・コンテンツとの連携。その相乗効果として、付加価値の高いコンテンツや新規サービスを迅速に提供していこうという狙いがある。

 経営統合を発表後、ドワンゴとKADOKAWAにグループエス・エヌ・イー(グループSNE)を加えたdwango×KADOKAWA×グループSNEの合同プロジェクトとして、読者参加型Web小説「3D小説 bell」の連載がスタートした。この小説は、基本となるストーリーが展開されていく中、要所要所で現実世界と連動させた読者参加型の課題が提示されるのが特徴だ。

読者参加型Web小説「3D小説 bell」公式サイト
読者参加型Web小説「3D小説 bell」公式サイト

 たとえば、3D小説のプロト版として13年のゴールデンウィーク中に実施された「It’s A MIRACLE WORLD」では、読者が小説内に散りばめられた暗号やヒントを集めて、悪者に監禁されたヒロインのメールアドレスを特定。彼女へ直接メールすることで監禁部屋から脱出するための方法を教えることができた。また、小説内で示唆されたリアルの場所へ行くと、読者が作中の重要アイテムを手に入れることもできた。読者のリアルな行動が小説に反映され、ストーリーは変化を遂げながら展開。この行動はニコニコ生放送で放送(配信)される。

 ドワンゴとKADOKAWAの連携は、「コンテンツとテクノロジーの融合」や「ネットプラットフォームとリアルプラットフォームの融合」など、さまざまな面でシナジー効果を生み出す。加えて、すでにKADOKAWAが展開している海外拠点やその運営ノウハウを活用することで、ワールドワイドな事業展開にまで視野が広がる。

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