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あなたのCEOがテクノロジーを理解しないなら、新しいCEOが必要だ

2014年08月22日 07時00分更新

文● Matt Asay via ReadWrite

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テクノロジーに無学な者は自分の会社を傾かせてしまう。

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テクノロジーは、企業にとって必要不可欠になった。今やどんな会社においてもテクノロジーに対する根本的な理解と認識を持たない経営者が、まともな経営計画を立てることは想像しがたい。エンジニアである必要は無いが、経営者たる者なら1つくらいは知っておくべきだ。

あるいは、Javaを少し嗜むならもっと良い。

主役はエンジニア

「私たちはドラマチックで壮大な技術的、経済的な転換期の真っ只中にいて、ソフトウェア会社が経済のあらゆる場面で主役になろうとしています」とマーク・アンドリーセンは正当な主張をしている。それなのに、ほとんどの会社はまだテクノロジーを補足程度にしか考えていないのだ。

今日の世界において、これはとても愚かな事に見える。

タクシー業界はUberが出現するまでテクノロジーを理解する必要が無かった。広告業界はグーグルが突然現れるまで安全だった。ホテル業界はAirbnbが発表されるまでは安らかに眠る事ができた。リストはまだまだ続く。

テクノロジーを評価する事に失敗した具体例としてHealthcare.govが挙げられる。最終的にはシリコンバレーのス―パーギーク・チームに救われる事となったが、Healthcare.govは政府が、そして企業がテクノロジーとの関わり方で間違う全ての事を明示した。

タイム誌におけるHealthcare.govの救出に関連して、ティム・オライリーは警告を発した。「シリコンバレーの最高・最優秀な者達を投入するのは、強力な解決策となりえます。しかしそれは、まだ手付かずの更に大変な仕事の存在を隠してしまいかねません」

政府は、システムの構築にテクノロジーの天才を雇って手伝わせるようになってきた。だが、それでは充分ではない、とオライリーは主張する。

最高レベルの技術職を連邦政府により多く投入する事は解決策の一部分でしかない。この人材に、自分達が設計に関わらなかったシステムを構築させても意味が無いのだ。問題の真髄は、政府のプログラム設計が、それを実行するメカニズムの事を全く考慮に入れていないことなのだ。英国のトム・スタインバーグはそれを完璧に言い表した。エリートは、もはやテクノロジーの基礎的理解無くしては国の運営などできないという事を認識できていないまま、政治、哲学、経済や法を学ぶ、と。

国にとって真ならば、企業にとっても無論また真になるのではないだろうか?

CEO ― チーフ・エンジニアリング・オフィサー

考えてみて欲しい。私はどんなテクノロジー企業にも文学専攻が一人は必要だと主張して来たが、シリコンバレーの人々のやる気の源、テクノロジーを理解しないわけでも無い。コードが書ける人々は、カッコイイのである。

関連記事:テクノロジー企業が文系の人材を必要とする理由

ティム・オライリーは続ける。

シリコンバレーでは、エンジニアこそが頂点なのだ。あなたが何か、人々が実際に使うものを作るとする、そうしたらあなたが全てを牛耳るのだ。他の者は書類係みたいなものだ。しかしワシントンDCでコードを書く場合、あなたは政策決定に関わった人々とは、30もの段階を隔てた、離れたところにいる、という事になる。

残念な事に、これはワシントンDCに限った話ではない。ほとんどの大企業のリーダー紹介のページにCIO(Chief Information Officer)は名を連ねているが、彼らはその他大勢の重役達の一人で、CMOやCFO、営業店長達と見分けが付かない。例えば、コカ・コーラ社にはCIOが存在するが、彼はそのWebページ上で3ダースを超えるその他のリーダー達の中に(文字通り)埋もれている。そしてその多くは彼よりも地位が高いといった状況なのだ。

とにかく、ビリー・マーシャルがかつて皮肉ったように、CIOはコードに何が起きているか、いつも最後に知るのだ。そして企業の技術方針というものは、第三者がCIOより先に知るようなものではないのだ。

CEOはテクノロジーを理解する必要がある。

CEOにコマンドラインを

問題は、どれくらい深く?である。私は、全ての会社がGitHubの天才を雇って運営を任せることは期待していない(ここ数ヶ月シリコンバレーは「ブラ・グラマー(BROther proGRAMMER)」スキャンダルに揺れており、これはあまり良いアイデアとは言えないかもしれない)

未来のCEO達にMBAを飛ばしてエンジニアリングを学ばせる、というのもまた違うと思うが、それも悪くない、というケースもきっとあるだろう。

だが、もっとも合理的なのは、現在又は将来のCEO達に、自社を支えるテクノロジーについて学ぶ時間を持ってもらう、という事だろう。それと全てのCEOに少しだけプログラミングを学んでもらうのも良いかもしれない。これはそんなに難しい事ではない、とウォールストリート・ジャーナル紙のクリストファー・ミムズも指摘している。「コンピューター・プログラミングは今や一般的な職業となった。看護や溶接と同じく、人々は少なくとも数週間から数ヶ月で、基礎的な習熟を達成する事ができる」。

言い換えれば、企業はテクノロジーを理解する経営者を必要としており、その理解を助ける質の高いリソースもあるのだ。

だから、もしあなた自身かあなたの知っている誰かが、CEOなのにテクノロジーを理解せず、急ぎ手助けを必要としていたら、Codecademyを始めさせるか、少なくとも基礎レベルのテクノロジーを習得するまで、何とか鍛えてあげてほしい。彼らは後にあなたに感謝する事になるだろう。彼らの株主達も。

トップ画像提供:Shutterstock

Matt Asay
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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