発売日にカシオの「QV-10」を買ってから約20年。あの日以来、今日まで極めて多くのデジタルカメラを購入してきたが、昨年春頃から、ユニークな特徴あるデジタルカメラ以外は衝動買いすることがなくなってしまった。
理由は極めて簡単だ。カメラ人間の中の何パーセントかは必ずハマると言われているLeicaの“レンズ沼”にドップリ浸かってしまい経済的に困窮してしまったからだ。
元来、ブランド商品は嫌いな方ではないし、競争の激しいカメラ産業界で常に世界の注目を浴びてきた100年企業である同社にも、そしてその製品にも極めて強い興味を持ち続けてきた。
言うまでもないが、Leicaの生命はレンズだ。カメラ超素人の筆者だが、レンズ交換ができるカメラがあることは知ってはいたし、実際に買ってもいたが、交換することを目的に2本目のレンズを買ったことは一度もなかった。
そんな筆者だが、カメラ先人である賢人の多くから「絶対に関わるな!」と言われたLeicaの世界にハマってしまった。
お店の人が勧めるレンズ交換式デジタルカメラ「Leica M Type 240」(以下、Leica M)を初めて見た時の最大のショックはその販売価格(約80万円)だった。
デジカメをコスパ(価格性能比)で順位付けするなら決してLeicaは上位を占めることはないだろう。しかし、Leica Mが筆者にも理解できる腕時計や楽器、オーディオ世界の一部の商品と同じ仲間であり、価値尺度を持つ特別のガジェットだと考えれば、決して法外な値段ではないとも言える。
買った人に満足感と納得感があればそれで十分で、周囲がとやかくいうシロモノではないだろう。
オールドLeicaレンズをデジタルLeicaで自動認識
6ビットコード生成機「Coder Kit」
さて、2006年に登場したLeica初のレンズ交換式のレンジファインダー式デジタルカメラが「Leica M8」は、デジタルカメラらしく自社のレンズ種別を自動識別し、カメラ内部にあるレンズデータで撮影のための設定を最適化する仕組みを搭載していた。
仕組みとしては、カメラ本体のマウント部分に「6ビットコードセンサー」が取り付けられており、マウントされたレンズのバヨネットリングにあらかじめマーキングされた6ビットコードを読み取り、撮影の最適化を行なう。
今も昔もLeicaにとって最大の資産とブランド信仰の原資はレンズだ。当然のように「レンズ命」のLeicaの世界では、現代でも使える素晴らしい過去の遺産が引き継がれている。
Leicaのカメラ用に開発されたマウント互換のレンズを、昨今の国産デジカメでも使えるようにするための多種多様なマウントアダプターが市場には溢れている。多少あおり気味ではあるが、Leicaのオールドレンズは国内市場でも大人気で、中古価格は急激に高騰しているありさまだ。
もちろん、それらの価値あるレンズは当然ながらLeica Mでも利用できる。しかし、アナログからデジタルに時代が移ったことで、少し取り扱いが面倒だ。しかし面倒も趣味の延長だと考える大人の趣味人なら、最新のLeica Mデジタルカメラで同社のオールドレンズを使うのは極めて楽しいことにちがいない。
今回、筆者がeBayから購入した「Coder Kit」は、6ビットコード対応以前のオールドLeicaレンズを最新のデジタルLeicaで使用する際のマニュアル設定を簡便にしてくれる便利な道具だ。
(次ページに続く、「D-Corderでコードを生成し、M-Coderでコードを貼り付ける」)
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