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「XenDesktop」「NetScaler」を採用、職員の“現場力”を高める

佐賀県、タブレット端末+VDIのモバイルワーク試行で成果

2014年08月19日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 佐賀県では、昨年(2013年)よりタブレット端末と仮想デスクトップ基盤(VDI)をテスト導入している。モバイルワーク環境を実現した結果、職員の業務効率化や農業指導などの“現場力”向上、在宅/サテライト勤務の促進につながっているという。

 佐賀県では今回、VDI製品として「XenDesktop」を、またリモートアクセス時のセキュリティ基盤として「NetScaler」を採用している。シトリックス・システムズ・ジャパンが8月18日に導入事例として公開した。

佐賀県の仮想デスクトップ基盤概要図

 佐賀県ではモバイルワークの実現に向けて、2013年7月にXenDesktopとNetScalerを採用し、およそ2カ月間でVDI環境を構築した。同時に農業や商工、広報といった現場でタブレット端末をどう活用するかを職員に公募し、約200台分の申し込みから内容を精査したうえで同年8月より100台のタブレット端末を展開、職員用ポータルやオフィススイート、写真共有などのサービスも含め試行を開始した。

 タブレット端末+VDIを用いた実証実験の結果、幅広い業務において大きな成果を上げているという。

 たとえば、農業経営に関する普及指導や情報提供を行う農業改良普及センターでは最も大きな成果を上げた。同センターでは、普及指導員が生産現場を訪問して、さまざまな問題対応に当たっている。従来、高度な専門性が必要な問題については「持ち帰り」のうえで後日対応していたが、タブレット端末を通じてその場で専門職員と解決策を検討できる案件が多く見られた。その結果、庁舎に持ち帰って解決策を検討する頻度が「49%削減された」という。

 そのほかにも、出張中の隙間時間を効率的に利用できるようになり、時間の利用率が3倍向上し、業務報告書を書く時間は50%削減され、直行直帰回数も12ポイント向上したとしている。

 また、ゴミの不法投棄などの現場対応が必要な業務において、オンラインの地図情報サービス活用による現場対応効率が大幅に向上した。そのほかにも、広報部門では深夜や休日の突発的なWebサイト更新が、自宅からでも安全性を担保しつつ可能になったとしている。

 VDIに関しては、「モバイルワーク」「在宅勤務」「サテライト勤務」で構成されるテレワークを実現し、ITによる「働き方の変革」を目標としている。試行開始当初は利用者に戸惑いもあったものの、操作方法に慣れてくると、部門全体で協力できる体制を確立できたとしている。

 佐賀県では今後、実証実験で見つかった問題点を改善しながら、今年(2014年)10月までに約1000台のタブレット端末を導入予定。職員用ポータルやオフィススイート、写真共有以外にも、電子メール、地図情報、ファイル共有などのサービスを利用可能にするとしている。また、ダムや山林といったネットワーク接続が困難な場所での業務向けに、「XenMobile」の採用も検討しているという。

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