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日本のITを変える「AWS侍」に聞く 第5回

黎明期からJAWS-UGを見る2人が過渡期のコミュニティを斬る!

辛口あり!津久井&得上は今のJAWS-UG東京に満足できない

2014年08月20日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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データをバックアップするのにS3を使い始めた

大谷:さて、得上さんの面白すぎる経歴については、すでに2年前に書いた記事(関連記事:IT業界のマイブラはアキバ価格戦争の勝者だった)があります。大谷がJAWS-UGに首突っ込むようになったのも、この時期に得上さんとクラスメソッドの横田さんとおつきあいができてからです。

得上さんはずいぶん前からAWS使ってたんですよね。確か、起業しようにも役員が足りなくて、米国にペーパーカンパニー作っていた時かな?

得上:はい。EC2がまだリリースされる前のS3を使ってました。当時のAWSは今のとは違っていて、今で言うProduct Advertising APIを使って、Amazonの商品にアクセスするのがAWSだったんです。それでなにやってたかというと、担当していたコマースサイトでのアフィリエイト。

マイニングブラウニー代表取締役 得上竜一さん

津久井:なんでコマースサイトでAmazonのアフィリエイトやってたんですか?

得上:その頃は、液晶やプラズマのTV、DVDレコーダーがガンガン売れていた時代です。そこでいっしょに売れていたのは、ずばりHDMIケーブル30cm。コンデジも売れていたんで、SDカードも売れまくるんです。これらは利益率高いんだけど、全部仕入れるとリスクが高い。そこで、アフィリエイトを使って、どれが売れ筋か調査してたんです。

大谷:なるほどねえ。利益率の高い商品のみを仕入れて、売ると。

得上:あとは、サーバーやクローリングデータのバックアップ。当時、バックアップはPCカードアダプタに埋め込んだCFアダプタの中にあるSDにとっていたんです。

大谷:結局、SDですか(笑)。

得上:これをS3に移せないかと思ったのが、AWSとの関わりの始まりです。その後、EC2が出てくるんですが、これはクローリングでのマシンとして使いました。使い捨て感覚でインスタンスを上げたり、下げたりできるので、毎度IPアドレスが変えられるんです。分散処理するの面倒だなあと思ったら、Amazon SQS(Simple Queue Service)がすでにあった。

大谷:得上さんが欲しいと思っているところに、AWSがプロダクトを投下してきたと。まあ、今も昔も得上さんは必要なモノだけを、突き詰める傾向にありますよね。

得上:はい。Elastic IPとか多くの人が便利だと思うものはいりません(笑)。

大谷:設立当初からマイニングブラウニーはクローリングエンジンを展開していますが、その後プロダクトはどうですか?

得上:インフラの利用効率がすごく上がっていますし、なにより長らく付いていたβがようやくとれそうなサービスがあります。あと、GPUが使えるようになったので、機械学習の組み込みがやりやすくなってますね。お客様も少しずつグローバル化していますし、調査会社や出版社、人材派遣会社など、いろんなところと共同プロジェクト動かしています。

「長らく付いていたβがとれそうなサービスがあります」(得上さん)

(次ページ、聞く側から話す側への敷居は思いのほか低かった)


 

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