日本IBMは8月8日、災害対策(DR)向けクラウドサービスとして提供している「IBM BCRS Cloud Virtualized Server Recovery(以下VSR)」の機能拡充と価格体系の変更を9月末日に行うと発表した。従来のx86サーバーに加えてPower Systems(AIX)にも対応する。
VSRは、顧客の既存システム環境をIBMデータセンターに常時自動複製(レプリケーション)し、災害/障害発生時にはIBMセンター内の仮想環境を立ち上げて短時間で切り替える(フェイルオーバーする)ことで、システムを復旧するサービス。復旧目標時間(RTO)は1時間(ゴールド)または12時間(シルバー)。切り替えテスト機能も備える。
IBMによれば、VSRの利用により、顧客が個別にDRサイトを構築する場合と比較して平均で約20%のコスト削減が見込まれるという。
IBMではVSRを2012年から提供してきたが(関連記事)、今回、保護対象プラットフォームとしてPower Systemsを追加し、従来のWindowsとLinuxに加えてAIXベースのシステムでも利用できるようになる。なお、複数のプラットフォームはすべて同一のポータルから管理できる。
また今回、VSRの価格体系見直しも行われる。従来はRTOや顧客間の優先度などが異なる「シルバー」「ゴールド」の2パターンだったが、顧客システムに応じてこれらの基本構成にCPU、メモリを追加できるようになる。
新サービスは9月30日より提供を開始する。月額費用(税込)は2万9160円から(標準構成の場合)。また、9月30日までに契約した場合、通常で1システムあたり25GBが割り当てられるストレージ容量を、100GBまで同一価格で提供するキャンペーンを実施している。