その6 超大容量の外付けHDDを構築する!
3万円台の6TB HDDを外付けHDDとして使うより、1万円前後の3TB HDD×2台のほうが約1万円もお得である。ただし、2台のHDDを個々に接続するのは面倒……そこで利用したいのが多数のHDDを収納できるケージだ。
ケージについてはさまざまなものが売られており、3~4台収納できるものもある。ただし、HDD容量が大きくなるほど、1ドライブあたりに保存されるファイルの量は増える。ということは、1つのドライブが壊れてしまうと、被害が広範囲に及ぶ可能性がある。
そこでおすすめなのはRAID機能を搭載しているもの。RAID 1(ミラーリング)やRAID 5(パリティ分散記録)などで冗長性の高い構成にしておくことで、HDDの急なトラブルに対処できる。
なお、ドライブがトラブルを起こした際には、予備のHDDを持っておくとすぐにRAID構成をリビルドできて便利だ。
NAS全体の容量は減ってしまうが(RAID 1は半分、RAID 5はHDD 1台分)、データの保全性を考慮するならぜひRAIDの導入をおすすめする。
冬に向け、さらに熱くなりそうなHDD市場
以上3回にわたって大容量HDDについて解説してきた。筆者自身、もともとはストレージ業界に携わり、HDDが数百MBだったころから容量増大の技術革新を目の当たりにしてきたが、ここ数年はその成長も落ち着いていたように感じていた。
ここにきて、1.2TBプラッターのHDDが登場したこともあって、業界的にはまた活気づいてきているのはうれしい限りだ。
今年は年末にかけて、まだまだ1.2GBプラッタの製品が登場してくると予想される。しばらくは、注目していきたいと思う。
6TB×2=12TBの超大容量外付けHDD「My Book Duo」
ウェスタンデジタルから8月中旬に発売される「My Book Duo」は、最大で6TBのHDDを2台搭載し、12TBという超大容量を実現した外付けストレージだ。
特徴的なのがHDDの交換方法。通常はフロントパネルからの取り外しとなるが、本機は本体上面がパカっと開く。縦方向にHDDを収納するため、フットプリントは小さく抑えられ、設置の自由度が高い。
RAIDレベルは0と1に対応し、PCとの接続はUSB 3.0またはeSATAで行なう。
外付けのUSB HDDにしても、複数のHDDを収納できるケージにしても、まだ6TB HDDに対応する製品は少なく、ここまで大容量のものは珍しい。価格もめちゃくちゃ高価、という感じではないので、最強の大容量ストレージがほしいというユーザーは検討してみてはいかがだろうか。
この連載の記事
-
第2回
PCパーツ
6TBモデルも測定! 今注目すべき大容量HDD 6機種を大検証! -
第1回
PCパーツ
最近価格低下の大容量HDD SSDとの使い分けが重要! -
PCパーツ
1.2TBプラッタで変わる!? 3.5インチHDDのトレンド - この連載の一覧へ