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クラウド時代を象徴する、Chromebook特集 第4回

可能性はある、ただしシェアは1割か2割が限界

Chromebookが流行らない要因──西田宗千佳氏に聞く

2014年08月26日 09時00分更新

文● 松野/ASCII.jp編集部

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流行するとしたら「企業向け」、教育機関では流行らない?

――Acer C720は4GBメモリー固定、Dell Chromebook 11はCore i3・4GBメモリー選択が可能。スペックをアピールしている印象がありますが

 高スペックを打ち出しているというよりは、企業を安心させるためのアピールでしょう。Chromebookは一般的なPCの3分の1程度のスペックしかありませんから、国内の企業も一見取っつきづらいかもしれない。そういうところに配慮しているのだと思います。

 あとは単純な話、Chromebookの中でもロースペックで低価格路線を打ち出しているヒューレット・パッカードとサムスンの製品が未発表だということです。Chromebookのスペックを高めれば確かに快適さは上がるかもしれませんが、正直、それほどでもないだろうと思います。特別、日本の市場に配慮したというわけではないでしょう。

――特に教育機関向けの導入について。いま教育機関向けにはタブレットの市場が高まっていると思うが、Chromebookはその市場にも入って来る。日本でもタブレットを置き換えることはできるか、あるいは棲み分けが起こるのか

 まず、アメリカと日本では教育機関に導入するデバイスの位置づけが違うということが言えます。アメリカでは、高校以上で導入されるデバイスはタイプ機能が必須です。実際、クラムシェル型PCの一括導入の事例が多い。他方で、日本においては必ずしもタイプ機能は必須ではありません。現状、教育機関でタブレットの導入が進んでいますが、それはインターネットができるとか、アプリが使えるとか、機能うんぬんよりも「板状の機械であることを生かす」方向性での導入であるように思えます。国内はそういう状況ですから、Chromebookは「今までのPCを導入するのと一緒」というふうに見られてしまう。

 一部の大学では入学時にPCを必須で購入させるところもありますし、Google Appsを利用しているのであれば移行はもちろんありえるでしょう。ただし、教育業界全体としてはあまり流行しないだろうと思っています。タブレットを置き換えることも、棲み分けをすることもおそらく難しいでしょう。

――世界ではシェアが増えている。日本でも流行すると思われますか

 法人企業向けに限って言えば、その可能性は十分にありえると思います。近年の企業向けPCはフルアプリケーションを使っている場合も、そうではない場合もある。普通のPCも仮想化してしまえば、フルクライアントでなくてもいいわけです。通常のWindowsではなく、ターミナルが使われているような場合もある。クラウドへの抵抗は薄くなってきているため、Chromebookが入っていく余地はあると言えます。あとはPCの管理コストなどが問題になるでしょう。会社の体制として、全体がウェブアプリケーションを使っているとか、安全性の問題でWindowsを避けたいという需要はあるはずです。

 ただし、おそらく爆発的な流行は望めないでしょう。アメリカでも市場シェアで結構な割合は占めるようになりましたが、現状でも業界全体をひっくるめてマスかといえばそうではない。日本でもシェアの1割、2割は狙えると思うし、それだけ行けば十分な影響だろうと思います。5割や6割は難しいでしょう。

(続く)

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