コムボルトCEOは100%自社開発、単一プラットフォームの優位性をアピール
TIS、バックアップサービス基盤に「CommVault Simpana」採用
2014年08月06日 06時00分更新
データ統合管理ソリューションのCommVault Systems Japanは8月5日、TISが販売を開始したエンタープライズ向けクラウドデータバックアップサービスの基盤ソフトウェアとして、同社のバックアップ/リカバリ製品「CommVault Simpana」が採用されたことを発表した。
TISの「TIS ENTERPRIS ONDEMAND Service -DATA BACKUP Service-」は、エージェントをインストールした顧客のサーバーにあるデータを、TISのデータセンターにバックアップできるサービス。データ容量に応じた月額従量制の料金体系となっており、バックアップ環境構築のための初期投資が必要ないのが特徴。月額料金(税抜)は、ファイルバックアップは4000円から、データベースバックアップは5000円からとなっている。
CommVaultでは、同サービスの基盤にSimpanaソフトウェアが選択された理由について、単一システムで多数のエンドユーザーにバックアップサービスを提供できる「マルチテナント機能」を備えていること、サービス事業者向けライセンスが「データ容量に応じた月額従量制」になっていること、の2点を挙げている。
単一プラットフォームを通じて多彩なデータサービスを提供
同日開催された記者説明会で、米CommVaultの会長、CEO兼社長のN・ロバート・ハマー(N. Rovert Hammer)氏は、CommVaultの戦略や製品の強みについて語った。
1998年創業のCommVaultは、バックアップ/リカバリだけでなくレプリケーション、アーカイブ管理、スナップショット管理、仮想マシン管理、モバイル/エンドポイント上のデータ管理といった「データに関するすべてのこと」(ハマー氏)を課題解決する製品を、一貫して提供してきた。
これらの各種データサービスは、すべて単一のプラットフォーム上に構築されており、オンプレミス/クラウド/モバイルデバイスなど、データがどこにあるかを問わない単一の巨大な仮想リポジトリ(Simpana ContentStore)が構成される。これにより、企業のあらゆるデータを効率的かつセキュアに保護できるのが特徴の1つだ。
この単一プラットフォームを仮想マシン(VM)管理に活用し、物理/仮想環境、プライベート/パブリッククラウド環境間の自動統合管理(オーケストレーション)や柔軟なプロビジョニング、仮想マシンのライフサイクルマネジメントを実現するソリューションも提供している。
そのほか、仮想リポジトリ上にあるデータの重複排除/圧縮機能、あるいはコンプライアンス対応のアーカイブ、メトリクスレポーティングといった機能も備えている。「検索やビジネスアナリティクスにも活用できる」(ハマー氏)。
競合ソリューションと比較した場合の強みについて、ハマー氏は「企業買収をせず、100%自社開発で成長してきた」ことを強調する。CommVaultでは“Solving Forward(時代を先取りした解決)”という企業理念を掲げ、競合よりも迅速にイノベーションを起こすことで成長してきた。その結果、コスト効率の高い包括的なソリューションが提供できていると述べた。
日本市場における戦略についてハマー氏は、クラウドサービス市場が大きな成長セグメントとなっているため、世界200社以上のマネージド/クラウドサービスプロバイダーでの採用実績があるCommVaultは競争優位性を持つと説明した。
また、同社製品は100%パートナー(サービスプロバイダー、SIベンダーなど)経由での販売となっていることから、特にパートナーとエンドユーザーの結びつきが強い日本市場では、パートナーとのエンゲージメントを重要視していると述べた。Simpanaの新しい機能拡張を通じて、パートナーがより短期間でソリューションを提供できるよう設計されているという。