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え~ぶい! 第4回

真のアンツィオ戦は見どころ満点、4.1chで劇場の興奮を自宅でも

やっぱりすごい! ガルパンOVAの「センシャラウンド改」を体験

2014年08月20日 17時00分更新

文● 鳥居一豊

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イタリアの豆戦車が縦横無尽に駆け回る、異色の戦車戦!!

 それではいよいよガルパンOVAを再生してみよう。

いよいよ視聴開始!

 大洗女子学園と対戦するアンツィオ高校は、創立者がイタリア人で、イタリア戦車を中心に使用している。テレビシリーズでほんの数カットに話が省略されてしまった第63回戦車道全国高校生大会2回戦の相手校で、その全貌がOVAで明かされるというわけだ。

 アンツィオ高校の特徴は、CV33型快速戦車(カルロベローチェ)を使った機動力重視の戦法。映像でも自軍のM41型セモヴェンテ(自走砲)、P40型重戦車と比べると、そのサイズは極めて小さい。戦車というよりはちょっと大きめの自動車のようなサイズだ。

 そんな豆戦車が軽快に走っていく音は、キャタピラ走行とはいえ、戦車の重量感のある音というよりは自動車に近い。直接対決することになる大洗女子学園の八九式中戦車とは、その走行音が随分と違う。なんといっても武装が機関銃なので、これまた軽快。貧弱だったはずの八九式の57mm戦車砲の発砲音も轟音に感じるほどだ。

 こんな、戦車のサイズ感による音の違いが、明瞭に描き分けられているのは見事だ。

カルロベローチェの挙動はまるで荒れ地を行く大型ラリーカーだ (C)GIRLS und PANZER Projekt

B&Wの銘機「Matrix 801」。低域の深さやスケール感はさすがなのだが、ぱっと聞きで、音のきめ細かさや解像感を比べると、最新のELAC 301.2のほうがいいんじゃないか、という声も。

 後で詳しく述べるが、ELAC 301.2/301.2 XLを使った再生は、自宅の大型スピーカーによる再生よりも、中高音域の明瞭度では優っているかのように感じる。

 明瞭で情報量が豊かなだけでなく、音の立ち上がりのスピードが速いので、銃撃のような鋭く炸裂する音にスピード感があり、俊敏でキレ味のよい再現になる。このあたりは、「アンツィオ戦には最適なのでは?」と思ってしまうほど。山椒は小粒でぴりりと辛いと言うが、小型スピーカーだからこその良さがいかんなく発揮されている。

 そう感じる理由のもうひとつが、サブウーファーによる低音域の拡大だ。

 小型スピーカーでは不足する低音域の信号を、AVアンプが自動的にサブウーファー側に振り分けるので、目の前にある小型スピーカーから出ているとは思えないようなスケール感あふれるサウンドを体験できる。

 作中の見せ場のひとつ、III号突撃砲とM41型の一騎打ち(というか格闘戦)での、互いに打ち合う砲撃の迫力は、出音の勢いというか瞬発力の高さがある。画面の奥からこちらに向いた砲門が火を噴く場面などは思わず身体を避けてしまうほど。

 戦車の重量感のある走行音や大砲の発射音は、オーディオ好きの中でも特に低音が大好きな人には花火と並んで人気のあるソースだ。そして再生音としてどこまで低い音が出ているかだけでなく、中高音の瞬発力の良さがないと、迫力ある砲撃にはならないのだと分かる。

4.1ch再生だとIII号突撃砲とM41型の超近距離戦がさらに迫力を増す! (C)GIRLS und PANZER Projekt

 「センシャラウンド改方式」で採用された4.1chのサラウンドもしっかりと楽しめた。

 比較のために聴いた2.1chの「センシャラウンド方式」でも、画面の奥から手前にかけてでの砲撃音の移動感などはかなりよく出ているのだが、「センシャラウンド改方式」となるとその砲撃音が後方へ抜けていく。

 また、戦車内の狭苦しい空間もしっかりと再現される。反響音が多くややこもった音となるのに加え、外部からの砲撃音の残響も長い。絵柄としては可愛らしい女の子が慌てふためいているという、ちょっとほほえましい映像なのだが、音の方は視界の悪い戦車内での砲撃にさらされている怖さを伝えてくる。

 本作は戦車戦とはいえ、あまりに緊迫感を高めない方向で演出しているようだが、音についてはかなりガチな迫力が出ているようだ。

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