大型施設などの火災による熱と煙の広がりと避難者の行動を同時にシミュレーション
火災と避難者を予測する「人・熱・煙連成避難シミュレータ PSTARS」
2014年07月30日 19時45分更新
鹿島は7月30日、火災時の熱や煙の流動と人の行動を同時にシミュレーションするシステム「人・熱・煙連成避難シミュレータ PSTARS」を開発したと発表した。
これまで、火災時の火や熱、煙などの動きと、人々が避難する動きのシミュレーションは別々に行われていた。だが大型施設などでは火災の広がりに応じて人の避難動線も大きく変化し、避難安全設計の計画も複雑化している。これを踏まえ、より高度な避難シミュレーションシステムを開発したもの。
新たなシミュレーションシステムでは、火災の熱や煙の広がりのシミュレートに加え、人間の行動について挙動や相互作用を細かく再現するほか、運動能力や判断力の低下した避難者などの個人差も考慮している。
同社では「駅改良工事など施工中の歩行空間の安全性・円滑性の動的再現」を目的とした歩行者シミュレーションシステム「Sim-Walker」を実用化。駅などの施設における群衆の動きをシミュレートした結果を土木・建築分野に利用している。本システムを利用し、災害時の安全性を考慮した施設計画立案に役立てるとしている。