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ギター本体でアプリの音量調節など、便利機能が光る

iPadに直接繋がる!? フェンダーのギターが宅録にうってつけ

2014年07月27日 15時00分更新

文● 藤村亮

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重量感があり、音の立ち上がりが早いメイプル指板

 持ってみて感じるボディーの形状は本家フェンダーのストラトキャスターそのまま。ボディー表面のエルボーカット(構えたときに右ひじが当たる辺りにつけられているカーブ)やボディー裏側につけられたコンター(抱えたときに肋骨に当たる辺りにあるカーブ)も自然でまったく違和感はありません。

 重さは約3.7kgとストラトキャスターとしてはやや重いかな、という重量でした。これはストラトキャスターのボディー素材によく使われているアルダーという比較的軽量な木材の上に、メイプルという重量のある木材を貼り合わせていることで、若干の重量増が起こったためだろうと推測されます。

構えてみた図

 弦は工場出荷時と同じと思われる009-042の弦ゲージが張られており、レギュラーチューニングで扱う分には特に問題はありませんでした。

 FENDER STRATOCASTER DELUXE HSS PLUS TOP WITH IOS CONNECTIVITYにはボディーカラーが2色用意されています。Aged Cherry Burst(エイジド・チェリーバースト)カラーはネックの表面に肌色っぽい色のメイプル指板。Tobacco Sunburst(タバコ・サンバースト)カラーは茶色のローズウッド指板が組み合わされています。今回試用した個体はエイジド・チェリーバーストだったので、メイプル指板のモデルとなります。

 メイプル指板のネックを持つギターは、ローズウッド指板のネックのギターに比べると、音の立ち上がりが早く、高音域が強調されたトーンになる傾向にあります。対してローズウッド指板のネックのギターは、音の立ち上がりが柔らかく、中音域が強い太さのあるトーンになる傾向にあります。

 私のメインギターのネックはローズウッド指板なので、ウォームなトーンには慣れています。ただ、最近はメイプル指板のギター特有のアタック感も好きなので、個人的に今回の試用ギターは嬉しかったです。ネックの裏側はマットな質感が楽しめるサテンフィニッシュが施されており、無塗装だと心配な手汗による汚れも付きにくい仕上げになっています。

ネックは手の小さい人でも扱いやすい形状

ネック部分

 ネックの形状はモダンCシェイプ、というフェンダーのCシェイプというネックデザインをさらに現代的に進化させた形。親指をネックの上側に出して押さえるスタイルでは握り込みやすく、親指をネックの裏側につけて押さえるスタイルでもポジションを安定させやすい、スタイルを選ばず扱いやすい形状です。

 私の手が大きいこともあって、ネックの形状にはまるで頓着しないのですが、このモダンCシェイプのネックは一般的に手が小さめでネックの形状にこだわる方が多い日本人のプレイヤーにも演奏しやすい形だと思います。

 ギターの生音(アンプを通さない状態での音)はボディーとネックとフレットの素材でほぼ決まりますが、このギターの生音は少し硬めなパリッとした印象でした。新しいギターの鳴りはだいたい硬いものですが、このギターの場合はメイプル指板に加えてボディートップのメイプル材が効いている感じがします。

 エレキギターとしての機能の心臓部であるピックアップは、デラックスシリーズと同じくメキシコ生産のスタンダードシリーズのモデルでも使用されている「Standard Single-Coil Strat」がふたつと、「Standard Humbacking」がひとつ。

ピックアップ部の比較。一番下のリアピックアップがシングルコイルからハムバッカーに変わっています。シングルコイルはネック側から1つ目のフロントと2つ目のミドルに置かれ、ブリッジ側のリアにはハムバッカーが配置されています

(次ページでは、「iOS機器接続ギターならではのコントロール」

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