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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第39回

グーグル製ゲーム「Ingress」 今年の夏は陣取り合戦で熱くなろう

2014年07月26日 17時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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ハマってしまって、3連休で35km歩くはめに……

 ゲームはまず、身近なポータルを探してハックするところからスタートします。

はじめはゲームのルールを理解するため、トレーニングをこなすと良いだろう。ちなみに筆者は有楽町でトレーニングをした

 アプリのメイン画面は地図になっており、緑や青、あるいは灰色の地面から何かが吹き出しているような場所がポータルです。ポータルは、教会や郵便局などの施設、石碑や銅像、歴史的建造物などのメモリアルなものなどが指定されています。日本では神社やお寺、鉄道の駅などのほか、レストランの店先にあるちょっとした動物の装飾や壁画もポータルになっています。

1つ前の画像でポータルとなっていた場所の実際の写真。有楽町の駅前にある神社が、ポータルの1つとなっていた

 アプリの地図上では自分を中心とした円が描かれており、この範囲にポータルが入ってくるとハック可能になります。半径およそ30m。GPSの都合もあり、結構きちんとその場所に近づかなければハックできません。ハックするとアイテムをもらうことができますが、自分のレベルと同じかそれ以下のアイテムしか使えません。最初はレベル1からスタートするため、強いアイテムが使えるようになるのは当分先のことでした。

 さて、3連休で実に35km歩いた理由なのですが…。

 基本的にはリアルな目的に沿って行動しているのですが、アプリでポータルを発見しながら歩いていると、「あと1ブロック先に行ったら、まだどちらのグループにも属していないポータルがある」「さらにその2ブロック先に行くと、リンクが張れて三角形が作れる」といった具合に、ついゲーム内での欲が出てしまうのです。

 あるいは行き先の移動方法についても、あらかじめIngressの地図を見てから行動計画を立てていました。例えば「アークヒルズに行きたいんだけれど、千代田線の赤坂駅から直接歩けば、乗り換えて溜池山王駅から歩くよりもポータルがたくさん叩ける」というふうに……。基本的に徒歩移動でIngressのポータルを巡ることになるため、つい駅間を歩いたりしがちになっていました。

 もう立派に“ハマって”いました。

3連休歩き続けて35km。1日平均10kmを超える距離を歩いていました。なんと……

絶妙なゲームバランスと、協調プレーの楽しさ

 オンラインゲームは発売されたときに始めなければ、他のユーザーとの差が大きくなりすぎてつまらないことがあります。ところが、Ingressでは、ひとまずレベル8まで上がれば、強いアイテムのほとんどを利用する事ができるようになり、50レベルなどの気が遠くなるほどのレベル上げの作業は必要ありません。

 強い敵チームのユーザーがポータルを強化していてレベルの低い自分では刃が立たなくても、通りすがりのレベル8の味方が破壊することによって、レベルの低い自分もポータルに新たなレゾネーターを配置したり、リンクを貼ったりして貢献することができます。

 ハックやレゾネーターの配置など、味方チームに対する貢献によってAP(Access Points)が得られ、このAPを集めることでレベルが上がります。このようにして、付近にいる味方の誰かとの協調は非常に面白い感覚があります。もちろん、敵チームの誰かと遭遇してしまうこともあるかもしれませんが。

 またゲーム内の移動が自分の実際の移動と紐付いているため、たとえば24時間プレーし続けられる人はほぼいないはずです。ただ、地元にポータルがある場合、夜のジョギングやウォーキングのお供にちょうど良いゲームでもありました。夜の内に抗争が起きていると、朝起きて戦況が全く変わってしまって驚くこともありますが。

こちらはサンフランシスコ市内の様子。東京ほど強力なポータルやリンクが貼られているわけではなさそうです


(次ページでは、「アイテム課金は無くても、自分への投資が必要」)

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