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資金調達にはもう悩まない

2014年07月25日 07時00分更新

伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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 7月22日、新橋にあるSSKセミナールームでopnlabが主催する「イノベーションを起こす新規事業のための資金調達最前線 ~起業/新規事・新製品開発のための助成金、クラウドファンディング~」が開催された。3人の登壇者が企業向けに資金調達や融資に関するアドバイスや現状を伝えた。


セッション(1)融資の基礎知識

 東京商工会議所台東支部の伊東海氏が、政府系金融機関や保証協会、区役所などから融資を受ける基礎知識を紹介した。用意する書類や融資の種類をはじめ、サンプルの損益計算書と賃借対照表を用いて財務の特徴や融資審査がどの項目に注目しているかを解説。伊東氏は貸借対照表の「現金」を、必ず一度記帳することを推奨する。粉飾決算で使われやすく金融機関も気を付けているからだ。また、貸付金や有価証券も金融機関の見るポイントの1つと話す。貸付金は回収できるのか、有価証券評価は適正かという実際の資産性の問題になる。最後に伊東氏は融資先から信用を得るための一番の方法は、「自社の財務内容をきちんと把握すること、経理がしっかりしている会社は強い」と述べた。正確な財務内容の把握は適切な借入を実現し、事業拡大につながるのだ。

東京商工会議所 台東支部 主査・経営指導員 伊東 海氏。

セッション(2)イノベーションを起こす賢い資金調達方法―公的資金編―

 助成金や補助金といった公的資金の活用法をクレメンティアの代表取締役の荒尾裕子氏が解説。公的資金の活用は資金調達だけでなく、国の事業を手掛けることで企業としての信用を得られたり、新たな営業先の開拓につながったりとメリットは多い。公的資金を活用するために欠かせないのは情報収集だ。担当省庁のウェブサイトには重点政策を確認できるが、開示された後に申し込むのでは遅い。各省庁から出される概算要求案の時にチェックしておき、時には担当省庁に直接聞くのもいい。重点政策以外にも年度の途中に追加政策が出される場合もある。そういった情報もチェックしておくことも必要だ。省庁のサイトを逐一チェックするのが面倒であれば、公的資金の情報を教えてくれる「ミラサポ」にメルマガ登録しておくと自動的に情報が入ってくる。公的資金の書類は省庁ごとにフォーマットが異なり、事務負担も膨大なため初めのうちは「専門家に依頼するのも一つの手」と荒尾氏はアドバイスを送る。

クレメンティア 代表取締役 荒尾裕子氏。

セッション(3)クラウドファンディングとオープンイノベーション

 トーマツ ベンチャーサポートの上森久之氏が、近年増えているクラウドファンディングと企業とのつながりについて考えを語った。クラウドファンディングとは、「不特定多数の人々から、インターネットを介して、資金を調達する仕組み」だ。クラウドファンディング先進国は英国と米国で、日本も規制緩和を進めている。成功の特徴として、上森氏は「新規性・ニッチ」「裏付け」「社会課題の解決」を挙げる。アマゾンで買えるような製品では資金が集まらないし、空飛ぶ車を作りますといっても成功の裏付けがなければ誰も事業を信用しない。寄付を募るプロジェクトは共感を得られないと支持が集まらない。また、日本では株式型の資金調達の上限金額が定められており、小口の資金しか集められず大口の出資者を囲い込めないといった問題もある。今後上森氏はベンチャー、大企業問わずに企業のクラウドファンディング参入をサポートしていくという。

トーマツ ベンチャーサポート アドバイザリー事業部 上森久之氏。

 セミナーの参加者に公的資金の活用やクラウドファンディングで集金したビジネスパーソンはいなかったものの、セミナーを通してさまざまな資金調達のノウハウが得られた。

訂正:伊東氏からの追加情報により、初出時と記事内容が異なります。(2014年7月30日)


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