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ミニ四駆や卓球台、自転車置き場もある新オフィスにも潜入

freeeが会計ソフトバージンに訴求したのは本当だった!

2014年07月24日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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いよいよ10万ユーザーを突破したクラウド型会計ソフトのfreee。freee 代表取締役 CEO 佐々木大輔氏にユーザーの利用動向や最新のアップデートを聞くと共に、6月に移ったばかりという新オフィスも見学してきた。

今まで10万ユーザー達成!2/3は会計ソフトを使っていなかった

 クラウド型の会計ソフトのfreeeのユーザーが、いよいよ10万件突破した。サービス開始から1年4ヶ月での10万ユーザー突破ということで、まずは順調スタートダッシュを成功させたと言えよう。freee 代表取締役 CEO 佐々木大輔氏は、「予想より早かった。確定申告の勢いがそのまま止まらず、知名度と評判がきちんと根付いた感じがする。」と語る。また、4月に行なわれた8億円の増資も企業の信頼度を上げるのによい影響があったようだ。

 10万ユーザー突破を機に同社が利用状況を調べた結果も興味深い。予想通り、全体の9割は5名以下の事業者。7割は1~2名の個人事業者で、特に店舗や小売りに導入が拡がっている。しかも「確定申告や決算をやったことない人が多い。2/3くらいは今まで会計ソフトを使ったことがなかった人でした」(佐々木氏)とのことで、まったく新しい層を開拓してきたことが分かる。

freee 代表取締役 CEO 佐々木大輔氏

 一方で、利用者の年齢は30代から40代に少しずつシフトしているのも特徴。クラウド型ということで、開始当初は若い人やスタートアップが多かったが、「本来、会計ソフトを使う年齢層に近づいている実感がある」(佐々木氏)というのも面白いところだ。

 では、なぜfreeeなのか? freeeはどういった価値を提供しているのだろうか? 

 ご存じの通り、freeeでは会計処理を自動で行なうほか、簿記等の知識が不要というメリットがある。この結果、入力自体の省力化が進み、なんと60年分の時間が節約できたと語る。「freeeのユーザーに聞くと、経理担当者はだいたい経営者。こうした経営者が入力に節約できた時間はだいたい5分(5分48秒)なので、データベースのエントリから計算するとそれくらいの時間になります」とのこと。入力するのに時間をとられていたが、より経営状態を見る時間が増えたのが大きな変化というわけだ。

 そして、実際に働き方自体が大きく変わったユーザー事例も増えたという。「たとえば、個人でお店を経営していて、経理は子育て中の奥さんが担当という場合でも、お店ではレジとfreeeを連携していれば、奥さんは家にいながら経理ができます」(佐々木氏)。

 最近、取り組んでいるのがモバイル版を拡充し、決算以外はほぼなんでもできるようになったという。「スワイプで登録し、修正までできる。勘定項目の選び方もユーザーフレンドリーになっている。個人事業者の方も、空き時間に片手で経理をできるようになる」(佐々木氏)とのことで、革新的な改良といえよう。リリースしてから2ヶ月経った給与計算も、7000ユーザーにまで拡大。次のリリースでは従業員を登録し、給与計算を配布するところまで可能になり、会計に続く2つ目のプロダクトとして本格ラウンチされるようになるという。

iOS版もますます拡充され、ワンハンドでの会計作業が可能に

会社設立2年目で4回目のオフィス移転

 さて、そんな同社だが、6月にオフィスを移転した。オフィスの移転は、スタートアップの成長を見極めるのになかなかよいメルクマール。設立2年で自宅含めて、4回目の引っ越しとなるfreeeは、登り調子であることが傍目からもわかる。

 (先見の明のある)オオタニは、freeeと社名を変更する前のCFO時代のオフィスにも伺ったことがあるのだが、マンションの一部屋に開発者が肩を寄せてコーディングしていたような感じだった。次に移った赤羽橋のオフィスには、いきなり卓球台やら、オサレな家具のある会議室が用意されており、驚いた記憶がある。しかし、そのオフィスも急速な人員と事業の拡大に追いつかず、「トイレに列ができるような感じだった」(佐々木氏)とのこと。その点、6月に移った五反田オフィスは、現在の倍以上となる100名規模を前提としており、なかなかゆったり。さっそくエントランスから見ていこう。

エレベーターのドアが開くとfreeeツバメと呼び出し用のiPad miniが……

社員がSwiftでさくっと作ったという呼び出し用のアプリ

待合室でいきなりくつろぐオオタニ。いやあ、こんなバケーションなスペースですからねえ

会議室名はカモメの名前。freeeの社員はIT業界でもっともカモメの名称に詳しいということです

幅広い机の置いてある会議室「ショウドウ」ざんす

全社ミーティングができるカフェテリアっぽいスペース

ミニ四駆のスペースがございます。夕方過ぎには白熱したレースが繰り広げられるのでしょう

元卓球部ということで、プレイしましたが、まったくガッカリなオオタニ

ゆったりしたオフィス。いやあ、人数増えましたねえというのが正直な感想

仕事中(?)のゴザスペースにお邪魔して、若い人に受けをとりたがる40代

足をソファーに乗せてコーディングしたいときもあるよね

各色用意されているfreeeのTシャツ!グリーンを1ついただきました!

自転車通いがけっこう多いとのことで、メンテナンス用品もあるとのこと。事故に気をつけてくださいね

壁に張られたfreeeの価値基準。トイレにもありました

 ということで、新オフィスに移り、ますますフルスロットルなfreee。個人事業者からの熱い支持をいかに一般企業に拡げられるかが、残り2014年の大きな課題となるだろう。

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