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今日発売! 話題の「Surface Pro 3」を徹底レビューだ!!

2014年07月17日 10時00分更新

文● 高橋量

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ベンチマークでCore i5搭載モデルの
パフォーマンスをチェック

 いつものレビューなら、まずここでベンチマーク結果を掲載するのだが、今回はその前にちょっとした私見を述べさせていただきたい。試用機のパーツ構成はCPUにCore i5-4300U(1.9GHz)、メモリーは8GB、ストレージは256GB SSDと、標準的なタブレットやUltrabookよりもやや高めのスペックである。にも関わらず、各種ベンチマーク結果ではスコアが予想よりも低かったのだ。

 またベンチマークによっては、1回目の結果と2回目の結果が大き異なる場合もあった。もともとベンチマーク結果には誤差がつきものだが、今回は誤差では済ませられないほど大きな差がでている。試しに何度かテストを行なったが、スコアが安定しない。

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」のベンチマーク結果。まったく同じ条件であるにも関わらず、スコアに大きな差がでている

 「GPU-Z」でベンチマーク時の内蔵GPU(つまりCPU)の状況をモニタリングしてみたところ、CPUの温度が低い状態から始めたテストはスコアが高く、温度が高いまま始めたテストはスコアが低くなることがわかった。CPUの温度が低い場合はクロック数と共に温度が急上昇し、90度を超えたところで空冷ファンが急速に回転し始め、温度とクロック数が抑えられたのだ。

温度が低い状態からテストを開始すると、GPUのクロック数と温度が上昇。一定値を超えるとクロック数と温度が下がっていく

温度が高い状態ではテスト開始直後からクロック数が抑えられるため、スコアも控えめな結果となる

こちらは「PCMark8バージョン2」で「Work accelerated 2.0」を実行したときの状況。CPUやGPUの温度に合わせて、クロックも上下していることがわかる。筆者の経験からは、ここまで乱高下したことはない

 以上の結果から考えると、発熱への対応としてパフォーマンスを著しく低下させているのではないだろか。比較的短時間で終わるゲーム系ベンチマークでは影響が表われないこともあるが、長時間の負荷がかかる総合系ベンチマークで軒並みスコアが低いのはそのためなのかもしれない。

 今回はさらなる検証を行なう時間がなかったためあくまでも推論にすぎないのだが、熱によってパフォーマンスが低下している可能性は否定できない。試用機固有の現象なのかSurface Pro 3全体のものなのかはわからないが、試用機固有のものであるなら製品版では改善されていることを望みたい。

「Windowsシステム評価ツール」
(Windowsエクスペリエンスインデックス)

 さて、以上のことを念頭に置きながらベンチマーク結果を紹介しよう。Windowsの快適さを表わす「Windowsシステム評価ツール」の結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)では、以下のような結果となった。

試用機のWindowsシステム評価ツールの結果(Windowsエクスペリエンスインデックス)

試用機のWindowsシステム評価ツールの結果
(Windowsエクスペリエンスインデックス)
プロセッサ 7.4
メモリ 7.9
グラフィックス 5.9
ゲーム用グラフィックス 5.4
プライマリハードディスク 8.15

 グラフィックス関連のスコアについては、3Dゲームでプレーするのでなければ気にする必要はない。CPUやメモリー、ストレージの性能については十分な結果が出ており、Windows 8.1 Updateを長期間快適に使えるだろう。

「CrystalDiskMark」「CINEBENCH」

 「CrystalDiskMark」でストレージのアクセス速度を計測したところ、全体的に高めの結果が出ている。CPUの処理能力を計測する「CINEBENCH」ではそれなりの結果だ。

「CrystalDiskInfo」によるストレージの詳細情報。試用機ではサムスンの「MZMTE256HMHP」(PM851シリーズ)が使われていた

「CrystalDiskMark」によるストレージのアクセス速度計測結果。標準的なSSDよりもやや高い結果だ

「CINEBENCH R11.5」のベンチマーク結果

「CINEBENCH R15.0」のベンチマーク結果

「PCMark 8バージョン2」

 日常的な作業にまつわる性能を計測する「PCMark 8バージョン2」の「Home accelerated 3.0」では「2077」という結果に。パーツ構成から考えると、もう少し高めの結果が出てもいいように思える。3D性能を計測する「3DMark」でも、Intel HD Graphics 4400の性能を出し切れていない気がする。

「PCMark 8バージョン2」の「Home accelerated 3.0」ベンチマーク結果

「3DMark」のベンチマーク結果

ゲーム系ベンチで性能確認

 ゲーム系ベンチマークの「ドラゴンクエストXベンチマークソフト Ver.1.00」では、解像度1280×720ドットの標準画質で「3589」の「普通」という評価に。「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」でも同じ条件でテストを行なったところ、「2693」の「やや快適」という結果となった。解像度と画質を抑えれば問題なくプレーできる性能ではあるが、長時間プレーしている温度上昇から動作クロックが抑えられ、パフォーマンスが低下する可能性がある点に注意したい。

「ドラゴンクエストXベンチマークソフト Ver.1.00」ベンチマーク結果

「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」ベンチマーク結果

ビジネス向け2-in-1として使いたい「Surface Pro 3」

 Surface Pro 3はデザイン性や機能性に優れているとともに、携帯性にも秀でたデバイスだ。ネット閲覧や文書作成といった作業なら、とても快適に行なえる。特に、ある程度PCを使いこなせるビジネスパーソンには最上の選択肢であると言えるだろう。形状こそタブレットのようではあるが、2-in-1タイプのUltrabookだと考えたほうがいい。パフォーマンスやSurfaceペンの筆圧感知など一部については残念な点もあるが、総合的な評価としては、2014年夏モデルPCの中でもっともオススメしたいモデルである。

試用機の主なスペック
製品名 Surface Pro 3
CPU Intel Core i5-4300U(1.9GHz)
メインメモリ 8GB
ディスプレー(最大解像度) 12型(2160×1440ドット)、アスペクト比3:2、マルチタッチ対応
グラフィックス機能 Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵)
ストレージ 約256GB SSD
光学式ドライブ -
通信機能 無線LAN(IEEE802.11a/b/g/n/ac)
インターフェース USB 3.0端子×1、Mini DisplayPort、Bluetooth 4.0、500万画素ウェブカメラ(リア/フロント)
メディアスロット microSDメモリカード
テレビ機能 -
センサー 照度、加速度、ジャイロ、電子コンパス
本体サイズ/重量 約幅292×奥行き201.3×高さ9.1mm/約800g
バッテリー駆動時間 約14時間(JEITA1.0)/約11.5時間(JEITA2.0)
OS Windows 8.1 Pro Update(64bit)
オフィスソフト Microsoft Office Home and Business 2013(SP1)
主な付属品 Surfaceペン

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