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固体内の酸化/還元反応を制御して理論値でリチウムイオン充電池の7倍という高エネルギー密度を実現

東大、リチウムイオン電池の限界を超える新電池を開発

2014年07月16日 15時03分更新

文● 行正和義

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新電池の放電反応模式図  

 東京大学大学院工学系研究科の研究グループは7月16日、日本触媒との共同研究により、現行のリチウムイオン充電池の7倍という高密度の可能性を持つ新型電池を開発したと発表した。

 現在、リチウムイオン電池は正極としてコバルト酸リチウムなどのリチウムイオンが出入りする遷移金属酸化物が使われているが、原子量の大きな遷移金属が酸化還元を担うため重量当たりのエネルギー密度、容量には理論的な限界がある。

 新型電池は固体内の酸化物イオンと過酸化物イオンの間の酸化還元反応を利用する。正極反応として酸化リチウムと過酸化リチウムの間の酸化還元反応を、負極反応として金属リチウムの酸化還元反応を用いた場合、両電極活物質重量あたりの理論容量は897mAh/g、理論エネルギー密度は2570 Wh/kgとなり、現行リチウムイオン電池の370Wh/kgの約7倍になる。

 酸化リチウムの結晶構造内にコバルトを添加した物質を正極に用いて充電池を製作。充放電反応により過酸化物が生成、消失することを明らかにし、新原理の電池システムを実証したという。

本電池システムの充放電プロファイル

 二次電池としては、空気中の酸素を用いるリチウム空気電池の研究が進められており、こちらは理論値1170mAg/gと今回開発された方式よりも理論エネルギー密度は高い。しかし、開放型のため空中の水分や各種物質によって電極・電解質が劣化しやすく実用化が難しい。今回開発された固体内酸素利用の酸化/還元電池は密閉式なので信頼性・安全性も維持される。

 これまでのリチウムイオン電池の理論上の限界を超える容量・エネルギー密度が可能であり、コバルトの使用量も少ないことから低価格も期待でき、携帯情報機器やEV、定置型バッテリーまで次世代の充電池の主力になり得るものとしている。

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