このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

事業戦略説明会で披露された2020年までの躍進!

平野CEOがシンガポール赴任!インフォテリア、海外に本腰

2014年07月15日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

7月14日、企業向けのデータ連携ミドルウェアなどを手がけるインフォテリアは事業戦略を説明するラウンドテーブルを開催した。好調なビジネスの概況やクラウドやモバイルへの取り組み、さらにはグローバル展開まで幅広く披露された。

EAI市場では国産ベンダーで数少ないシェアNo.1

 インフォテリアは、XMLをベースに社内外の垣根を越えたデータ交換を実現するソフトウェアを開発すべく1998年に創業。こうして開発されたEAI(Enterprise Application Integration)ソフトウェア「ASTERIA」は、EAIの市場でも7年連続市場シェアNO.1を記録しているという。また、2009年にはモバイル向けのコンテンツ管理ソフトである「Handbook」を投入。ライセンス型ビジネスに加え、サービス型ビジネスもスタートし、モバイル分野にもフォーカスしている。

「つなぐ」に特化したインフォテリアの製品群

 ラウンドテーブルの登壇したインフォテリアCEOの平野洋一郎氏は、2014年3月期の決算を披露した。2014年は創業来最高の14億8700万円を上げたほか、特にHandbookを中心とする継続型(ストック型)売上が50パーセントを超えたという。また、経営目標の70%を超える売上総利益率を堅持するほか、営業利益も168.6%増となった。

インフォテリアCEO 平野洋一郎氏

 主力製品であるASTERIAに関しては、導入企業がいよいよ4000社を突破。「外資系がほとんどという企業向けのソフトウェアで国産がNo.1(テクノリサーチシステムズ調べ)は珍しい」(平野氏)。最新版の4.8では、クラウド利用やデータ活用、運用の効率化を中心に機能強化を図った。平野氏は、「クラウド化の結果、企業の持ち物はデータだけになった。今後はクラウド間での連携が進み、ユーザー企業の業務部門は欲しい作るのではなく、使う時代になる」と述べ、クラウドアプリケーションの構築のためにはデータ連携が不可欠であると説明した。

クラウドの結果、企業の持ち物はデータだけに

クラウド間連携、ユーザ企業の業務部門主導へ

モバイルはキャズム越え!全ワークシーンでデジタル化

 また、ASTERIAに続く、もう1つの柱になりつつあるHandbookは、採用件数が650件におよび、海外での利用も増えている状況。デジタルコンテンツを体系的に管理する「MCM(Mobile Contents Managament)」の分野ではシェアNo.1(ITR調べ)。Dropboxや既存のファイル共有ではカバーできないセキュリティを確保できる点が企業に受けているという。

Handbookは採用件数650件に

 さらに、コンテンツがOSとデバイスがワンセットになっている既存の自社開発アプリに比べ、Handbookではスピーディかつ安価に最新コンテンツを利用できるという。「iOSは6年間で7回もメジャーバージョンアップしている。外注して作るともう間に合わない」(平野氏)。さらに接続システム、デバイス/OS、用途の多様化に対応すべく、Handbookでは第4世代の製品を投入しているという。

 こうしたHandbookの成長を支えるのは、やはりモバイルデバイスの普及がある。平野氏は、スマートフォンやタブレットの法人普及率が20%を超えることを示し、キャズムを超えたと指摘。自らの理由で導入を決定するアーリーアダプターのみならず、他社の数値に左右されるアーリーマジョリティのが必要とする導入効果の数値(訪問件数や成約率、セールスの省力化)も用意した。

アーリーマジョリティが必要とする「他社数値効果」

 今後は、「デジタル化を組織内から組織外へ」「リアルシーンのデジタル化」などを促進することで、全ビジネスシーンでのデジタル化まで網羅していくと説明した。「(IT化が浸透しても)会議や営業・販売現場、雑談・口コミなどのリアルの現場は、なくなるわけがない。ここをどうやってデジタル化するかが大きなテーマ」(平野氏)とのことで、新たに内田洋行をパートナーとし、新しいオフィスやワークスタイルの啓蒙を進めていくという。

(次ページ、投資の5割を海外に!IoTを見据えたビジネスシステム基盤を提供)


 

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ