iTunes Storeが目指すべき方向は
ここまでの話をまとめると、音質やサラウンド/3D対応の有無などディスク版(Blu-ray)のほうが充実している、むしろiTunes Storeのほうが割高だということになるが、もちろんメリットがないわけではない。
たとえば、7月11日リリースのiTunes 11.3からサポートされた「iTunes Extras」は、タイトルによって差はあるが、イメージギャラリーや監督の解説などさまざまな特典が付いてくる。以前購入したもの(HD版)について、入手可能になった時点で自動追加されるとのことで、買い直す必要はない。7月11日現在、26タイトルとわずかだが、他で入手できない特典があれば敢えてiTunes Storeでダウンロード購入する動機にはなるだろう。
しかし、それでも、ディスクと比較すると特典の内容は弱い。ネットでの再生権が付いてくるMovieNEXと比べればなおさらだ。しかも価格競争力がないとくれば……。これは個人的な希望だが、iTunes Storeには「ダウンロード」ではなく「ストリーミング」、「購入」ではなく「レンタル」の充実を目指してほしい。
ハリウッドが今もディスクに利用価値を認め、次世代規格を制定する段階から影響力を行使していること、すでにMovieNEXのような「ネットとの共存」に着手していることからすると、それ以上の付加価値を実現するのは難しいように思える。AirPlayを超えるインパクトを持つユーザビリティの新提案があれば、流れが変わるのかもしれないが。
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