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iOS開発者のほうが儲かっているが、Androidの普及によってその差は縮まっている

2014年07月12日 16時00分更新

Matt Asay via ReadWrite

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アプリ開発者にとって、より効率的に利益を生み出すのは、アップルのiOSエコシステムである。

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Androidスマートフォンやタブレットの売上から見れば、グーグルのエコシステムは開発者に対してもっと対価を支払うべきではないだろうか。というのも、Androidの売上高がアップルのiPhoneとiPadよりも上回っているだけでなく、アップルのiOSエコシステム関連収益よりもAndroidエコシステム関連収益の方がより高いシェアを占めているからだ。

にもかかわらず、Android開発者よりもiOS開発者の給料の方がいいのである。何が、というより誰がそれを払っているのだろうか?

その答えは効率性にある。グーグルが多種多様なパートナーと利益をシェアするのに対して、アップルは収入源を一元化することができる。ところが、Androidはその普及規模によって、iOSによる収益をも上回る日が近いかもしれないのだ。

拡大するAndroidエコシステム

iOSデバイスよりもAndroidデバイスの売上の方が伸びているという事実はそれほど驚くものではない。アップル製品の価格(価格プレミアムを含むため高い)を考えると、それは当然の結果と言えるだろう。アナリストであるマーク・ヒベンズは、今後AndroidとiOSの出荷台数差はさらに拡大するだろうと予測している。

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「プラットフォームの累積デバイス販売台数(Credit: Mark Hibbens)」

つまりそれは、言うまでもなく2013年第1四半期においてAndroid搭載デバイス数がiOSのその数を上回り、今後もさらに成長し続けることを意味している。

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「デバイス人口(Credit: Mark Hibbens)」

しかしこの事実がAndroidアプリ経済圏に金銭として返還される兆しは、今のところ見られないのである。

Androidはどこを目指すのか?

VisionMobileの調査によると、アップルのiOSアプリ経済圏は1,630億ドルで、グーグルのAndroidアプリ経済圏をはるかに上回っている:

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「アップルのGDP:iOSアプリ経済圏が1,630億ドルに成長(VisionMobile 2014)」

一方、グーグルのAndroidアプリ経済圏は1,490億ドルにとどまっている:

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「グーグルのGDP:Androidアプリ経済圏は1,490億ドルの評価(VisionMobile 2014)」

ところがこの2つの経済圏には、ハードウェアからアプリ、アクセサリに至るまで決定的な違いがみられる。グーグルがメーカー、開発者、通信事業者、そして広告パートナー間で利益をシェアするのに対し、アップルはそのエコシステムの収益の多くを自社のものとしている。この点を詳しく見ると、アップルとグーグルの両社は、有料アプリダウンロードとアプリ内購入に対して開発者から30%の手数料を受け取る。グーグルは以前、このお金を販売パートナー(携帯電話通信事業者や決済会社等)への支払い等に回していた。しかし、Google I/O 2014の際にポリシーが変更され、「グーグルはGoogle Playによって得た収益を自社のものとする」ことにしたのだ。それに対し、アップルはアプリ開発者より受け取った30%の手数料をこれまでと変わらず自社のものとしている。

何もグーグルにチャリティに寄付をしろ、と言っているのではない。ABIの調査ノートにあるように、グーグルの問題の一部は、「断片化」という点にあるのだ。ABIによると第4四半期において、全世界に出荷された77%のスマートフォンにAndroidが使用された一方で、これらの2.21億デバイスの32%には「Androidフォーク(Androidのカスタマイズ版)」が使用されたとしている(前年出荷台数の20%から増加、2013年第3四半期の27%から増加)。

Androidは幅広く採用されているが、その相当数がAndroidフォークであるために、グーグルに収益をもたらすことはないのである。Crittercismのマイケル・サンタクルスが述べるように「新たなAndroid機能の中心としてGoogle Playサービスが位置づけられた」ことで、グーグルは断片化による不収益の影響を最小限にとどめようとしているとしているが、その実現には程遠い。

たとえそうだとしても、グーグルの本質的戦略とは、そのエコシステムとより多くの利益をシェアすることなのだ。グーグルは意図的に、ハードウェアやアクセサリからの収益確保を無視し、さらにはソフトフェアにおいても広告収入以外のアプリの収益にあまり関心がないのである。グーグルの目標は、長い間、インターネット上でウェブや検索機能を利用するユーザーを獲得することにあった。グーグルの思惑とは、より多くの人がグーグル検索機能を使用することにより、より広告効果が高くなるというものだ。

グーグルは、Google I/O 2013とI/O 2014の短期間で2.5倍の増加となるおよそ50億ドルをアプリ開発者に支払ったと発表した。

それでもなお、iOS開発者の給料には及ばない。VisionMobileによると、Android開発者が1アプリにつき、ひと月に101ドルから200ドルという収入額であるのに対して、iOS開発者は1アプリにつき、ひと月に500ドルから1,000ドルも多く稼いでいるというのだ。

少なくとも、今の段階では。

青年よ、東を目指せ

ヒベンズは、アップルのデバイス当たりのアプリが高額であるという点が、AndroidとiOS経済圏に隔たりを生み、それは今後広がる一方だと示唆している。一方ではこれは単なる短期的視点ではないかという見方もある。きっとその通りであろう。Andreessen Horowitzのベネディクト・イバンズによると、アップルは、その顧客基盤とグーグルの顧客基盤にある「貧富の格差」から利益を得ていると断定している。

VisionMobileが示すように、アップルは、比較的裕福な北米と西ヨーロッパ市場での市場シェアの優位性を誇っている:

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「iOSとAndroidの市場シェアの比較(VisionMobile 2014)」

しかし、これらは決してめでたい事ではない。前述したように、新興経済国にはアップルの価格プレミアムを受け入れる金銭的余裕はないのだ。「新興経済国」に2014年の世界最大の経済になるであろう中国や、10億人以上の利用者が見込まれるインド市場を含むとすれば、Androidの未来は明るく輝いているといっていいだろう。

アップルのデバイス当たりのアプリの収入はグーグルよりも多い、という事実は変わりそうもないだろう。しかし、それはグーグルにとって大きな問題ではない。Androidは常に「規模」で勝負してきた。いくつかの例外を除いて、グーグルのビジネス・モデルは常に「膨大な数の取引から少額ずつを得る」というものなのだ。

だからといって、私は「アップルの見通しは暗い」と言っているわけではない。私が言いたいのは、開発者たちは、自分たちの収益化戦略をiOSかAndroidかによって調整すべきであるということだ。そう、まさにアップルやグーグルがそうしているように。

Matt Asay
[原文]


※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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