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軽くて割れない透明電極を導電性ナノファイバーネットワークで製作

東工大、レアメタルを使わない透明導電フィルムの製造法を開発

2014年07月11日 17時15分更新

文● 行正和義

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試作した透明電極フィルム

 東京工業大学は7月10日、フレキシブルで割れない透明導電性フィルムを簡便かつ安価に製造できる技術を開発したと発表した。

 導電性透明フィルムは太陽電池パネルや液晶パネル、タッチパネルなどさまざまな電子・電子機器で使われている。透明電極の素材は一般的に酸化インジムスズ(ITO)が用いられるが、インジウムは高価なため各種パネルのコストダウンの妨げとなるほか、曲げ耐性がないためフレキシブルなパネルの電極としては不向きだった。

エレクトロスピニング法を用いた金属蒸着フィルム表面へのナノファイバーマスクの作製

 東工大の研究グループでは、電圧をかけて極細繊維を製造するエレクトロスピニング法を使ってナノファイバーをフィルム上に配置、ナノファイバーをマスクとして金属蒸着フィルムをエッチングし、高分子フィルム表面にアルミウムナノファイバーのネットワークを形成した。

導電フィルム表面のアルミニウムナノファイバーネットワーク

 試作したフィルムは透明性が高く導電性を良好で、透明性や導電性はナノファイバーの太さや密度で調整できる。フィルムと金属ナノファイバーとの密着性も良好という。レアメタルであるインジウムを使わず、携帯情報機器から大型パネルまで各種液晶パネル、太陽電池パネルや機能性ガラスなどさまざまな分野に応用できるという。

 
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