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オンプレミスで英語事業を拡大

2014年07月14日 07時00分更新

文● 伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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ウェブリオ代表取締役の辻村直也氏。

 ウェブリオは英和・和英辞典のウェブサイト「Weblio」を手掛けるベンチャー企業。2006年のサービス開始以来、毎年2000万PV増を維持しながら成長を続けている。2014年6月時点で、パソコンのMAU(月間利用者数)は2600万、スマホのMAUは1900万を数える。特徴的なのは、パソコン自体のシェアが縮小しているにも関わらず、パソコンからWeblioを使う利用者が増えていることだ。5月から2カ月連続で過去最高のアクセス数を記録したという。2013年のオンライン英語辞書市場でも33.5%のシェアトップに立っている(ビデオリサーチ調べ)。

 ウェブリオ代表取締役の辻村直也氏は「今後の英語のニーズは細分化する」と考えている。辞書サービス以外にも英会話やプロフェッショナル翻訳、TOEIC対策、契約書やビジネス書類の作成など利用者によって英語との接し方が大きく変わる。中でもウェブリオは今後、インターネット越しに教師を立てて、ビデオチャット形式の英会話に注力するという。
「英会話は単語力を上げないと上達しません。Weblioの辞書や単語帳機能などと連携できれば理想的です」(辻村氏)。

 2012年度の矢野経済研究所の調査によると、語学スクール市場は約3300億円。現在、インターネットを介した英会話事業は100億円にも満たない規模だ。
「デジタルネイティブの利用者が成長するころには、インターネットで英語を勉強するのが普通になっているかもしれません」(辻村氏)。
 ウェブリオはフィリピンに現地法人を設立して現在、準備を進めている。人的をリソースは現地人を採用したり他社のOEMを導入したりとさまざまな方法を検討中だ。

 Weblioをトップシェアに引き上げたノウハウも武器だ。「辞書サービスは道具の一つ」(辻村氏)というように、辞書のウェブサービスは季節や時間によってアクセスが爆発的に増えることはないのでクラウド化するメリットは少ない。ウェブリオは、データセンターに場所と電源だけを借りて、コンピューター機器を自前で導入。ルーターやスイッチも自社で調達し配線を手掛け、サーバーOSのシステムも構築している。これによってクラウドサービスの5分の1までシステム費用の節約を実現。システム費用のコスト削減は、今後展開するサービスの価格面でも優位に立てる。「日本人と日本企業の国際競争力強化につながるビジネスをやりたい」(辻村氏)と言うように英語事業での成長を目指す。


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