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シャオミ、14年上期は2611万台と驚異的な成長 年内レノボ超え?

2014年07月03日 19時00分更新

文● 末岡洋子

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 急成長中の中国のスマートフォンメーカー、Xiaomi(シャオミ)は7月2日に2014年上半期(1~6月)のスマートフォンの出荷台数が2611万台に達したことを報告した。出荷台数は前年同期比271%増、売上150%増――まさに驚異的な成長が続いているようだ。

どんどん拡大していくシャオミの勢い
売上は約5400億に! ただし黒字なのかどうかは不明

 この数字は、Xiaomiの共同創業者兼CEOであるLei Jun氏がブログで発表した。それによると、2014年の最初の6ヵ月で同社は2611万台のスマートフォンを出荷したという。XiaomiはAndroidベースのスマートフォンを製造しており、最新のフラッグシップは2013年9月に発表した「Mi3」である。

現在のフラグシップ「Mi3」

 Mi3は洗練されたデザイン、ユーザーインターフェイス「MIUI」を特徴とし、スペックは5型フルHDのIPS液晶、13メガピクセルカメラ、1.8GHz動作のNVIDIA Tegra 4または2.3GHz動作のQualcomm Snapdragon 800、メモリー2GBなどとなっている。それでいて価格は約330ドル。クラウドサービス「Mi Cloud」も用意する。

 同社の2012年の出荷台数は719万台、2013年は1870万台だった。つまり、2014年の最初の6ヵ月ですでに2013年通年の総出荷台数を上回ったことになる。

 Lei氏は2014年はじめに年間出荷台数目標を6000万台と定めたとしており、上半期の業績からもこの目標は達成不可能ではないとみているという。なお、2013年末時点では、2014年の目標を4000万台としており、上方修正を重ねているのだ。同社は一定数を受注してから生産・出荷するモデルをとっており、サプライチェーンの拡張(スケール)が課題視されることもあるが、量産体制を整えつつあるようだ。

 同期の売上高は330億人民元(約5400億円)、これは前年同期比から149%の増加という。だが、黒字転換となったかどうかは明かしていない。

フラグシップでイメージを広げ
実際に数が売れているのは130ドルの廉価モデル

 端末の好調な売れ行きを実際に牽引しているのは、デュアルSIMなどの特徴を持つ廉価版である「Redmi」のようだ(約130ドル)。香港の市場調査企業、Counterpoint Technology MarketResearch(CTMR)によると、2014年2月の世界ベストセラースマートフォンランキングで、Xiaomiから2機種がトップ10内にランクインしたとのことだが、Redmiは10位のMi3を上回る7位となっている。

廉価版とはいっても、4.7型HD液晶にクアッドコアCPU、800万画素カメラと十分に高い性能だ

 Xiaomiは現在、中国市場でSamsung、Lenovoに次いで3位。年内にLenovoを追い越すと見る向きもあるようだ。同社はまた中国外への拡大も進めており、シンガポールなどのアジア市場、それにブラジルなどの南米市場に進出する計画を敷いている。計画が順調に進めば、市場へのインパクトはさらに大きくなりそうだ。

 同じく共同創業者のBin Lin氏は6月初め、中国・上海で開催した「Mobile Asia Expo」で、Xiaomiの創業からこれまでの経過を明かしながら、直販とコミュニティ活動などインターネットを活用した「インターネット企業」を目指すとしていた。ブログでは「ハードウェア+ソフトウェア+インターネットサービス」のトライアスロンモデルを強化していく、としている。

 そのMobile Asia Expoでは取材中、地元中国の業界幹部から「Xiaomiはいまだに赤字で実質的な価値がない企業。どうして人気なのかわからない」とXiaomiの長期的価値に懐疑的な声も聞かれた。


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