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プライバシー重視スマホ「Blackphone」が出荷開始 予約分売切

2014年07月01日 21時50分更新

文● 末岡洋子

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 ”プライバシースマートフォン”を歌う「Blackphone」が出荷を開始した。PGPなど暗号化技術で知られるPhil Zimmermann氏が共同創業した米Silent Circleと、スペインのGeeksphoneが手がけるAndroidベースのスマートフォンで、ローンチの場となったMWCで注目を集めた製品だ。629ドルと決して安くはないが、最初の事前予約は売り切れとなった。

Androidベースでセキュリティー機能を強化した
独自OSを搭載している

 6月30日、Blackphoneを開発するSGP Technologiesが出荷開始を発表した。SGP Technologiesは、暗号化技術のSilent Circle、新興スマートフォンメーカーGeeksphoneがBlackphoneの製造・販売のために立ち上げたジョイントベンチャーで、スイスに本拠地を構える。

MWC会場で撮影した「Blackphone」

 Blackphoneはプライバシーへの配慮を最大の特徴とするスマートフォンで、MIT Techology Reviewでは2014年の「10 Breakthrough Technologies(ブレークスルー技術トップ10)」に選ばれるなど、メディアを中心に話題となった。その一因として、Edward Snowden氏が明かした米政府の監視活動があるが、2社によるとSnowden氏の告発の前となる2年前から進めてきたプロジェクトだという。

 技術的には、Android(KitKat)を土台にSilent Circleのプライバシー技術を統合した「PrivatOS」を土台とする。動画を含む通話とテキストメッセージを暗号化するSilent Circleの「Silent Phone」「Silent Text」、WiFiホットスポットが無線通信履歴などを取得するのを防ぐ「Kismet Smarter WiFi Manager」などのアプリを搭載する。

 Silent PhoneとSilent Textは有料アプリで、2年分のサブスクリプションをバンドルする。なお利用には、相手もアプリをインストールしている必要があり、3人分のサブスクリプションがつく。

 このほか、ユーザーのIPアドレス、ブラウザクッキー、個人情報などを隠して匿名でモバイルブラウジングができる「Disconnect Search」をデフォルトの検索プロバイダーとし、Wi-Fiや3G/LTEなどセルラーネットワークを利用した盗聴を防ぐDisconnectのVPN「Secure Wireless」も含む。オンラインクラウドは、SpiderOakと提携し、同社の暗号化クラウドサービスをバンドルした。

 ハードウェア側のスペックは、4.7型のHD IPS画面、8メガピクセル(メイン)/5メガピクセル(サブ)のカメラを持ち、プロセッサーは2GHzのNVIDIA Tegra 4i、RAMは1Gでストレージは16GB。通信方式はLTE/HSPA+、WiFiなどをサポートする。

 Silent CircleとGeeksphoneは今年はじめにBlackphoneの開発を発表、2月のMWCで正式にローンチし、事前予約の受付を開始した。SGPでは事前予約の数を公開していないが、「圧倒的な需要があった」としている。第一陣の出荷を受け、SPGは予約受付を再開している。

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