今、自作PCマニアの間ではSSDが激アツだ。その理由はもちろん、発売以来各地パーツショップのSSDコーナーで大ヒットとなっているCrucial(クルーシャル)の新モデル「Crucial MX100」シリーズだ。
人気の理由は、なんといっても久々にSSDの価格レベルを大きく下げたと言っていい、手頃な価格。安価なショップでは256GB版で税込1万2000円台、512GBで2万3000円台という価格で、なおかつリード/ライト速度などで同社の従来モデルM500と同等以上の性能をアピールする、まさに「SSDの価格破壊や~」と呼びたくなるような製品なのだ。
その安価さから秋葉原や大手通販などでは、現在も入荷即完売、いわゆる瞬殺状態に近い売れ行きとなっており、とくに一気に手頃感の増した256GB版や512GB版は人気が集中。入手に苦労している読者もおられるだろう。
その一方で、その性能や特性はまだ知られていないところがある。ということで今回は、編集部が入手したMX100 256GB版を用い、どれほどの実力があるのかを検証してみた。
先に結論からまとめると「公称通り実力はM500以上。さらにCrucial製品らしく、極端な不得意もない。まさに噂通りの実力であり、間違いなくお買い得な製品」と言える。価格を除いてCrucial製SSDのスタンダードモデルとしての視点で見ても、一線級の性能となっているのだ。
Crucial MX100 主要スペック | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
容量 | 128GB | 256GB | 512GB | |||
サイズ | 2.5インチ(7mm厚、9.5mm変換アダプタ付属) | |||||
接続インターフェイス | シリアルATA 6Gbps | |||||
コントローラー | Mervell 88SS9189(公式では「Mervell製」) | |||||
NANDチップ (製造プロセス/メーカー/セル構造) |
20nm/Micron自社製/MLC | 16nm/Micron自社製/MLC | ||||
シーケンシャルリード | 550MB/秒 | |||||
シーケンシャルライト | 150MB/秒 | 330MB/秒 | 500MB/秒 | |||
ランダムリード | 8万 IOPS | 8万5000 IOPS | 9万 IOPS | |||
ランダムライト | 4万 IOPS | 7万 IOPS | 8万5000 IOPS | |||
その他機能 | ネイティブ書き込みアクセラレーション Redundant Array of Independent NAND(RAIN) TCG/Opal AES 256bit暗号化 TRIM S.M.A.R.T.など |
|||||
平均故障間隔(MTTF) | 150万時間 | |||||
総書き込みバイト数(TBW) | 72TB | |||||
製品保証 | 3年間 |
※一部、実機データを含む。
代表的なSSDベンチ3タイトルで
M500、M550と三つどもえ対決
今回はMX100の256GB版と、比較用として用意したM500 240GB版(事実上の前モデル)、そしてM550 256GB版(上位モデル)を用い、3タイトルの代表的なベンチマークを使ってテストを実施した。
まずは基本的なデータ転送速度を図るため、ひよひよ氏作の「CrystalDiskMark 3.0.3b」を、続いてATTO Technology, Inc.の「ATTO Disk Benchmark v2.47」でファイル容量別の転送速度を測定。そしてFuturemarkの「PCMark 8」のディスク関連テスト「Storage」テストで、実使用時に近い条件での性能をチェックした。
テストに使用した機材は以下のとおり。なお、各SSDはチップセット直結のシリアルATA 6Gbps端子に接続し、ドライバーとしてインテルのラピッド・ストレージ・テクノロジー(RST) 12.9をインストールした。
テスト環境 | |
---|---|
CPU | Intel「Core i5-3570K」(3.4GHz) |
マザーボード | ASrock「Z77E-ITX」(Intel Z77チップセット) |
メモリー | シリコンパワー「SP008GBLTU133V21」 (PC3-10600 4GB DIMM×2) |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵) |
システムSSD | Crucial「m4」128GB |
ベンチ用SSD | Crucial「MX100」 256GB Crucial「M500」 240GB Crucial「M550」 256GB |
OS | Windows 8.1 Pro Update 64ビット版 |
電力設定 | バランス(デフォルト) |
また、一般ユーザーの実使用時状態により近い性能を計るため、省電力設定はあえてデフォルトの「バランス」にしている。そのため絶対性能(とくにCrystal Diskmark)は若干落ちることに留意されたい。
ベンチマーク前にはテクシム「TxBENCH」を用い、Secure Eraseを実行している。同タイトルでMX100、M500、M550の機能チェックをしてみた結果は画面の通り。
MX100とM550(の現状のファームウェア)では、省電力機構である「HIPM」(Host Initiated Link Power Management)がオフにされている点が特徴的だが、大きな機能差はないと考えていいだろう。
→次ページヘ続く (気になるベンチ結果は?)
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