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最新パーツ性能チェック第160回

爆発的人気の「Crucial MX100」は噂通りの“価格破壊者”だった

文●橋本 新義

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 今、自作PCマニアの間ではSSDが激アツだ。その理由はもちろん、発売以来各地パーツショップのSSDコーナーで大ヒットとなっているCrucial(クルーシャル)の新モデル「Crucial MX100」シリーズだ。

Crusial MX100

 人気の理由は、なんといっても久々にSSDの価格レベルを大きく下げたと言っていい、手頃な価格。安価なショップでは256GB版で税込1万2000円台、512GBで2万3000円台という価格で、なおかつリード/ライト速度などで同社の従来モデルM500と同等以上の性能をアピールする、まさに「SSDの価格破壊や~」と呼びたくなるような製品なのだ。

内部基板。マイクロン製の16nm NAND Flashを採用する

 その安価さから秋葉原や大手通販などでは、現在も入荷即完売、いわゆる瞬殺状態に近い売れ行きとなっており、とくに一気に手頃感の増した256GB版や512GB版は人気が集中。入手に苦労している読者もおられるだろう。

コントローラーは Marvell製「88SS9189」

 その一方で、その性能や特性はまだ知られていないところがある。ということで今回は、編集部が入手したMX100 256GB版を用い、どれほどの実力があるのかを検証してみた。

 先に結論からまとめると「公称通り実力はM500以上。さらにCrucial製品らしく、極端な不得意もない。まさに噂通りの実力であり、間違いなくお買い得な製品」と言える。価格を除いてCrucial製SSDのスタンダードモデルとしての視点で見ても、一線級の性能となっているのだ。

Crucial MX100 主要スペック
容量 128GB 256GB 512GB
サイズ 2.5インチ(7mm厚、9.5mm変換アダプタ付属)
接続インターフェイス シリアルATA 6Gbps
コントローラー Mervell 88SS9189(公式では「Mervell製」)
NANDチップ
(製造プロセス/メーカー/セル構造)
20nm/Micron自社製/MLC 16nm/Micron自社製/MLC
シーケンシャルリード 550MB/秒
シーケンシャルライト 150MB/秒 330MB/秒 500MB/秒
ランダムリード 8万 IOPS 8万5000 IOPS 9万 IOPS
ランダムライト 4万 IOPS 7万 IOPS 8万5000 IOPS
その他機能 ネイティブ書き込みアクセラレーション
Redundant Array of Independent NAND(RAIN)
TCG/Opal
AES 256bit暗号化
TRIM
S.M.A.R.T.など
平均故障間隔(MTTF) 150万時間
総書き込みバイト数(TBW) 72TB
製品保証 3年間

※一部、実機データを含む。

代表的なSSDベンチ3タイトルで
M500、M550と三つどもえ対決

 今回はMX100の256GB版と、比較用として用意したM500 240GB版(事実上の前モデル)、そしてM550 256GB版(上位モデル)を用い、3タイトルの代表的なベンチマークを使ってテストを実施した。

Crusial M500 240GB版

Crusial M550 256GB版

 まずは基本的なデータ転送速度を図るため、ひよひよ氏作の「CrystalDiskMark 3.0.3b」を、続いてATTO Technology, Inc.の「ATTO Disk Benchmark v2.47」でファイル容量別の転送速度を測定。そしてFuturemarkの「PCMark 8」のディスク関連テスト「Storage」テストで、実使用時に近い条件での性能をチェックした。

 テストに使用した機材は以下のとおり。なお、各SSDはチップセット直結のシリアルATA 6Gbps端子に接続し、ドライバーとしてインテルのラピッド・ストレージ・テクノロジー(RST) 12.9をインストールした。

テスト環境
CPU Intel「Core i5-3570K」(3.4GHz)
マザーボード ASrock「Z77E-ITX」(Intel Z77チップセット)
メモリー シリコンパワー「SP008GBLTU133V21」 (PC3-10600 4GB DIMM×2)
グラフィックス Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵)
システムSSD Crucial「m4」128GB
ベンチ用SSD Crucial「MX100」 256GB
Crucial「M500」 240GB
Crucial「M550」 256GB
OS Windows 8.1 Pro Update 64ビット版
電力設定 バランス(デフォルト)

 また、一般ユーザーの実使用時状態により近い性能を計るため、省電力設定はあえてデフォルトの「バランス」にしている。そのため絶対性能(とくにCrystal Diskmark)は若干落ちることに留意されたい。

 ベンチマーク前にはテクシム「TxBENCH」を用い、Secure Eraseを実行している。同タイトルでMX100、M500、M550の機能チェックをしてみた結果は画面の通り。

MX100

M550

M500

 MX100とM550(の現状のファームウェア)では、省電力機構である「HIPM」(Host Initiated Link Power Management)がオフにされている点が特徴的だが、大きな機能差はないと考えていいだろう。

→次ページヘ続く (気になるベンチ結果は?)

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