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AOKIがオムニチャネルで顧客管理、iBeacon導入テストも

2014年06月22日 17時00分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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 AOKIはこのたび、ファッションストアの「AOKI」と「ORIHICA」の顧客システムを統合、刷新し、新たな顧客管理システムを導入した。

 ポイントカード会員やメルマガ会員、モバイル会員など、さまざまなチャネルに分散されていた顧客情報を統合。新会員証(ポイントカード)を従来の磁気式からバーコード式に刷新した。

新たな会員証と会員証アプリを活用した新顧客管理システムの概要
新たな会員証と会員証アプリを活用した新顧客管理システムの概要

 また、iOSとAndroidのそれぞれに向けて「会員証アプリ」をリリース。スマホ画面上にバーコードを表示し、デジタル会員証としてポイントカードの代わりに店舗で利用できるほか、ポイント照会や履歴を確認でき、最新ニュースやクーポン、キャンペーン情報などが入手可能となる。現在はAOKIアプリとORIHICAアプリを個別に配信し始めているが、今後は両ストアでポイントを相互利用できるようにし、ユーザー会員の利便性を高める。

AOKIアプリのイメージ(左から「購入履歴」「ポイント確認」「最新ニュース」)
AOKIアプリのイメージ(左から「購入履歴」「ポイント確認」「最新ニュース」)

 一方のAOKIにとっては、アプリを通じてプッシュ型の情報配信が可能となり、積極的な集客アプローチに臨める。新ポイントカードも含め、来店・購入履歴をはじめとした顧客情報を一元管理し、次の販促に役立てるといったさまざまな施策に展開できるのもメリットだ。

ORIHICAアプリのイメージ
ORIHICAアプリのイメージ

 新顧客管理システムは、システム開発会社のアストロラボとの共同開発だが、AOKIとORIHICAの両店舖を合わせた全国約670店舗における1年分の顧客・購買データから、前年対比を含めた客層分析をわずか5秒以内で算出することが可能だという。今後は、オンラインショップやブライダル事業、エンターテイメント事業など、AOKIグループ全体での運用も視野に入れる。

 さらに業界初として、iOS7に搭載された近距離無線通信機能「iBeacon(アイビーコン)」をテスト導入すると発表。iBeacon対応のiPhoneを持参したユーザー会員が店に入ると、店舗に設置した専用iBeacon機器とiPhoneがiBeaconで無線接続。iPhoneのアプリに来店ポイントやクーポン情報、商品情報などを配信できる一方、客の来店時の動線(トラッキングコード)を収集できるなど、マーケティングに活用することが可能だ。今年の下半期から3店舗でテスト導入する。

 オンラインとオフラインを問わず、あらゆるチャネルから顧客を獲得しようという動きが活発化している。AOKIの新顧客管理システムやスマホアプリはまさにその一例。オムニチャネルと、顧客情報のデジタルデータ管理により、客に仕掛ける攻めのビジネスを展開しようというわけだ。

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