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モダンアプリケーションのための配信プラットフォームを提供

サイオス、新世代Webサーバー「Nginx」の商用版を国内展開

2014年06月17日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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6月17日、サイオステクノロジーはオープンソースソフトウェア(OSS)のWebサーバーNginx(エンジンエックス)を手がける米Nginxとパートナー契約を締結。Nginxをベースにした商用製品「NGINX Plus」を7月1日より国内展開する。

高い性能だけじゃない!アプリケーション配信のためのNginx

 NginxはオープンソースのWebサーバーで、ApacheやIISとは異なる次世代Webサーバーとして大きな注目を集めている。特に高い並列処理性能が大きな売りで、FacebookやHulu、Dropboxなど大規模なWebサイトでの採用が相次いでいる。

 開発元の米NginxでCEOを務めるガス・ロバートソン氏は、まずNginxの急速な成長をアピール。NginxがアクセラレートするWebサイトは2012年末には6000万サイトだったが、現在では1億4000万のサイトに及んでいるという。また、世界トップの1万サイトで一番よく使われているほか、AWS上でもっとも使われているWebサーバーもNginxだという。加えて、熱のこもったコミュニティ活動や、ソースコードの美しさや品質の高さも大きな魅力だという。

米Nginx CEO ガス・ロバートソン氏

 Nginxが提供するのは、モダンなアプリケーションを支える分散型のアーキテクチャーだ。現在のWebサービスは、1つのリクエストに対して、複数のアプリケーションが並列的に処理するという特徴を持つ。しかし、こうした拡張性を実現するため、従来のシステムはハードウェアを足して、拡張する必要があった。これに対して、Nginxであれば、ハードウェアを追加する必要がない。「ソフトウェアで拡張することができる。高い並列処理能力を持ち、10~1000倍の性能向上を実感していただける」(ロバートソン氏)。

 とはいえ、Nginxの売りは高い性能だけではない。ロバートソン氏は、「多くのユーザーはNginxを単なるWebサーバーと考えている。しかし、Nginxは単に高速なWebサーバーにとどまらないアプリケーション配信プラットフォームだ。ロードバランシング、リバースプロキシ、SSL、エッジキャッシュ、メディアストリーミングなど完全な形で機能するものだ」と説明する。また、SSLのターミネーションやDDoS攻撃に対応する帯域制御を機能を持つほか、商用版のNginxではパッチの迅速な適用も可能になっているという。

アプリケーション配信の機能を統合したNginx

Apacheの限界を乗り越えるために

 発表会にはNginxの現CTOで、Nginxの生みの親でもあるイゴール・シソエフ氏も登壇した。ロシアの検索サイトに勤めていたイゴール氏が、Webサーバーの開発を始めた背景にはApacheの限界があったという。「Apacheでさまざまな改良を試み、キャッシュや圧縮モジュールなどを作っていこうとした。しかし、どうしても限界があった。そのため、新しいWebサーバーを立ち上げ、Apacheの限界を乗り越えていこうと思った」と語った。

米Nginx CTO イゴール・シソエフ氏

 こうしてイーゴリ氏は、2002年にNginxの開発を始め、2004年10月にパブリック版をリリース。2011年にようやく1.0をリリースし、法人としてのNginxの立ち上げに至った。そして、2013年にはNginxをベースに機能拡張した商用製品「NGINX Plus」をリリース。イーゴリ氏は、将来的な展望として、非同期のI/Oやダイナミックローダブルモジュール、動的なコンフィグレーションなどをサポートしていきたい説明した。

Netscape登場から20年!新しいWebテクノロジーが必要

 今回、サイオステクノロジーは、NGINX Plusを日本国内で販売することを発表した。NGINX PlusはOSS版のNginxに対し、アプリケーションロードバランサーや高度なキャッシュコントロール、HTTPライブストリーミングなどの機能を追加し、エンタープライズでの利用を想定した商用製品になる。初年度の目標は1000本。あわせて日本のNginxのユーザーコミュニティを立ち上げ、勉強会やセミナーなども展開していくという。

 冒頭に登壇したサイオステクノロジー 代表取締役社長の喜多伸夫氏は、「Netscape Navigatorが生まれて20年が経ち、Webのデータも増え、スピードも要求されるようになった。Webに求められるテクノロジーに革新が求められ、新しいWebテクノロジーが必要になってきた」とNginxを手がけるようになった背景を説明した。

サイオステクノロジー 代表取締役社長の喜多伸夫氏
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