人々の信頼関係が成り立っているから
PCの中古ショップもある
cd-r kingはパソコンの周辺機器やアクセサリーは売っているが、PC本体は売っていない。新品のPCはショッピングセンターの家電店やPCショップなどで売られており、また修理屋も兼ねた中古PCショップもよく見かける(携帯電話の中古屋もある)。
NECや富士通など、アキバで売っていた日本語キーボードのノートPCがフィリピンに流れ、数千ペソで売られているのだ。こちらは4桁、つまり2万円弱が中心の価格帯だ。
所得が低い地域でも、人が信頼し合わない社会では、中古売買は成立しない。例えば中国で中古売買は、中のパーツをより低いものに入れ替えスペックを低くして販売することがよくあり、いまだに一般には支持されていない。
フィリピンでは幾分人と人が信用しているからか、中古ショップがあるし、またヤフーオークションのようなショッピングサイト(http://www.ayosdito.ph/やhttp://www.olx.ph/)もある。
Facebookの利用はPCからが主流
スマホの普及はこれから
庶民的なショッピングセンターに行くと、PCソフトやDVDなどの海賊版屋が堂々と営業を行なっている。DVDに関しては、アメリカンな文化の国でもあることから、「カートゥーンネットワーク」系のアニメをよく見る(米系のフィギュアも多い)が、一部ショップでは日本のアニメを専門に扱う海賊版ショップもある。
前回のフィリピンのお宅訪問の記事しかり、家のブロードバンドに繋がったPCで日本のアニメを見ている青少年も多い。米系コンテンツが目立つ一方で、日本のアニメのファンもPCユーザー、非PCユーザー問わずいるわけだ。
PCで何をやっているか、の一端が見られるのはネットカフェだ。男性はネットゲームで遊んでいる人が、女性ではFacebookを利用する人がそれぞれ目立った。
一方、スマートフォンでFacebookやゲームなどの暇つぶしをする人はほとんど見ない。統計によればフィリピンは1億人の人口を抱えるにも関わらず、年間のスマホ出荷台数は510万台と、東南アジア各国の中でもこれから伸びて変わる国なのだ。
山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。当サイト内で、ブログ「中国リアルIT事情」も絶賛更新中。書籍では「新しい中国人~ネットで団結する若者たち」(ソフトバンク新書)、「日本人が知らない中国インターネット市場[2011.11-2012.10] 現地発ITジャーナリストが報告する5億人市場の真実」(インプレスR&D)を執筆。最新著作は「日本人が知らない中国ネットトレンド2014」(インプレスR&D)。
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