シトリックス・システムズ・ジャパンは6月10日、ADC(アプリケーションデリバリコントローラー)製品「Citrix NetScaler」について、シスコシステムズの「Cisco ACI(アプリケーションセントリックインフラストラクチャ)」との統合を発表した。ACIで集中管理されるネットワークに、NetScalerの提供する各種L4-7サービスを組み込み、ポリシーベースのプロビジョニングやサービス連結を可能にする。
ACI(関連記事)は、ポリシーを管理する「APIC(Application Policy Infrastructure Controller)」サーバーと、APICと連携するシスコの「Nexus 9000シリーズ」スイッチやサードパーティ製のハードウェア/ソフトウェアにより構成される。各アプリケーションが必要とするインフラ/サービスをポリシー(プロファイル)として定義することで、アプリケーションの動的な配備に応じて、物理/仮想ネットワークだけでなく、クラウドオーケストレーション、L4-7サービスのプロビジョニングやコントロール、サービス連結、可視化を実行する仕組み。
今回のACIとの統合により、NetScalerアプライアンス上のネットワークやサービスのプロビジョニングが自動化され、アプリケーション/テナントに関してエンドツーエンドのテレメトリ、可視化が実現する。
また、NetScalerの物理/仮想アプライアンスの違いを意識することなく、単一のポリシーに基づき管理運用できるため、複雑なサービストポロジーを簡略化し、豊富なサービス機能のモデリングを実現する。
NetScalerとACIの統合は今夏からの開始予定。なお、ACIと自動化フレームワークは既存のNetScalerシステムと互換性があるため、現行のサービス運用モデルはそのまま維持されると述べている。
両社では、現在開催中の「Interop Tokyo 2014」のShowNetにおいて、ACIと統合したNetScalerをShowNetの一部として構成する。また、両社のブースにおいて、NetScalerとACIの統合技術などのデモ展示を行う。