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アツいMMDerが福岡に一挙集結!「第三回九州MMD勉強会」レポート

2014年06月13日 19時00分更新

文● らいら(@lyrahm)、広田稔(@kawauso3

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6月7日、福岡県博多市にあるASCビルの会議室にて開催し、50名超の参加者が集まった「第3回九州MMD勉強会」。プロジェクターに映し出されるスライドを見ながら、およそ半日かけてMMDのイロハを学んでいた

 YouTubeやniconico、pixiv、piaproといった投稿サイトが、ここ数年で一気に普及したことで、インターネットに趣味で作った作品を投稿して創作活動を楽しむというスタイルが広まっている。音楽やイラスト、映像などジャンルはさまざまだが、ここ2、3年でアツいのは、3DCGツールの「MikuMikuDance」(MMD)だ。

 聞けば、趣味にもかかわらず、全国各地で自主的に勉強会を開くほど真面目に取り組んでいるとのこと。はたして現場では、どんな方々が何について語っているのだろうか。今回は福岡の博多で開かれた「第三回九州MMD勉強会」に潜入した!

コミュニティーが育んできたMMDの世界

 まずはMMDを知らない方に向けて、簡単におさらいしておこう。ツール自体は樋口優氏が個人で開発し、2008年に無料で公開したものになる。3DCGソフトといえば、動作にハイスペックなパソコンが求められるものが多い中、MMDは低スペックな機種でも動作するのが特徴だった。さらに初音ミクを始めとするVOCALOIDキャラの3Dモデルを標準で用意しており、すぐにCGの楽しさを体感できる(関連記事)。



 ツールに加えて、ユーザーが築いてきたコミュニティーも大きな魅力だ。3DCGでアニメを作ろうとすると、モデルや背景、モーションといった具合に制作するものが多くて手間がかかってしまうので、映画やゲームなどでは分業で取りかかるのが当たり前になる。

 一方、MMDは「共有」の世界で、自分で手間ひまかけて作った3DCGの素材を無償で公開している人も少なくない。そうしたネットにある貴重な資産をダウンロードして組み合わせるだけで、初心者でも作品を作った気にさせてくれるのがスゴい。しかもその素材の種類が豊富で、例えば、初音ミクだけで見ても、かわいい系やカッコイイ系、デフォルメキャラにクリーチャー(!?)など、好みに合わせて選べることが多い(関連記事)。

 2008年からniconicoに動画を投稿してマイリスト数を競う「MMD杯」というお祭りを半年に一度開いており、新人でもスゴい作品をつくれば評価されるという流れがある。



 モデルやモーションなどの素材で参加して、自分の作ったものが次の創作にどうつながるのか見ても楽しいし、素材を拝借して映像に凝って見る側を驚かせるのも面白い。見る専門の人も含めて、さまざまなモチベーションで多くの人が集まってきて、今ではniconico内に「MikuMikuDance」タグが付けられた動画が17万4000件以上も存在するほど人気のシーンに成長した(2014年6月9日現在)。

アットホームな雰囲気の会場

 そうしたネット上のコミュニティーは、リアルの場にも進出してオフ会も盛んだ。勉強会としては2011年の関東が初めてで、その後、2012年から現在にかけて、関西、九州、愛知、東北など全国各地で実施している。今回の「九州MMD勉強会」は2012年、自らもMMD動画を投稿する福岡在住のイジケさんが主催となってスタートし、今年で第三回目を迎えた。

 参加者は学生から壮年男性まで、老若男女さまざまだ。女性は約2割とやや少なめ。中には、MMDに付属する通称「あにまさ式ミク」を制作した「あにまさ」さんの姿も見えた。

発表を真剣に聴く参加者たち。勉強会の冒頭、発表用のPCがネットに繋がらず、ニコ生配信はナシか……と諦めかけたその時、奇跡的(?)に接続に成功、会場が盛大な拍手に包まれるという珍事が起きた

 発表は、MMD初心者から中上級者まで幅広くカバーした内容だった。スライドショーを凝視したり、実際にMMDを起動して操作を確認したり。パソコンを開いて会場を中継しているニコニコ生放送を見ながら話を聞くなど、勉強のスタイルはさまざまだが、全員の熱心さが伝わってきた。休憩時間には、会場のあちこちで名刺交換されるなど、アットホームな雰囲気だった。

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