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Excelで入力、クラウドで標準形式に変換/公開「オープンデータプラットフォーム」

「自治体オープンデータの課題はアプリ開発者」jig.jpが新サービス

2014年06月05日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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世界に通用する“5つ星”形式のデータでアプリ開発を促す

 オープンデータのエコシステムにおいて、データを公開するのは行政だが、そのデータを活用したアプリやサービスを開発するのは民間の役割だ。しかし現状では、国や自治体から民間のオープンデータ活用を誘発するような仕組みはまだ弱い。牧野氏も「実際、市民の中で(鯖江市のオープンデータが)どれだけ使われているかと言えば、まだ1%に満たないほどだろう」と認める。

 jig.jpの福野氏も、その課題を強く認識している。「鯖江市には100を超える自治体がオープンデータの視察に来られたが、結局はアプリを1つ作って終わり、というパターンも多い。各地の開発者をどう盛り上げ(オープンデータ活用を活発化させ)るか、それが今後の課題」(同氏)。

2013年の「G8オープンデータ憲章」への合意を受け、我が国でもオープンデータの活用が閣議決定されているが、現状でオープンデータ化できている都市はまだわずか

 今回のodpでは、アプリ/サービス開発を誘因する施策の1つとして“5つ星オープンデータ”というキーワードが挙げられている。これは、World Wide Webの発明者でもあるティム・バーナーズ・リー氏がW3Cで提唱する、利便性が高く活用しやすいデータ形式(odpの場合Linked-RDF形式)でデータを公開することを指している。

さまざまなデータ形式と「星」のランク。5つ星オープンデータとは「オープンライセンス」「構造化データ」「オープンフォーマット」「個々のデータへのURI付与」「関連データへのリンク」という5要件をすべて満たし、活用しやすいデータ形式である(参照:http://5stardata.info/)

 福野氏は、国際標準に基づく“5つ星オープンデータ”で各自治体のデータが公開されることにより、開発した1つのアプリ/サービスをほかの自治体に展開したり、複数の自治体データを取り込むアプリ/サービスを開発したりすることが容易になることを説明した。これが開発者にとっての最大のメリットだという。

従来は各自治体のデータ形式に合わせて個々にアプリ/サービスを開発していたが、データ形式と基盤が共通化されることで、開発者と利用者に大きなメリットを及ぼす。「世界標準なのでグローバル展開も可能」(福野氏)

 また福野氏は今後、開発者コミュニティに対しても積極的にオープンデータ活用をアピールしていきたいと語った。7月に開催される「AWS Summit Tokyo」では牧野氏と福野氏が登壇するほか、同月の「SAP Forum Tokyo」においても、odpとSAP HANAの組み合わせによるオープンデータ処理の模様が披露される予定だ。

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