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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 ― 第136回

Nuvibeの製品開発者に聞く

伝説のエフェクター「Uni-Vibe」復刻版の回路は一晩で書かれた

2014年05月31日 12時00分更新

文● 四本淑三

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左が株式会社コルグ開発部の森川悠佑さん、右が監査役の三枝文夫さん

 ジミヘンが「アメリカ国歌」演奏に使った伝説のエフェクター「Uni-Vibe」が、日本人設計者自らの手で復刻された。その名を「Nuvibe(ニューバイブ)※1」という。設計者はMS-20を始めとするシンセサイザーの開発で有名な、現コルグ監査役の三枝文夫さんだ。

 オリジナルのUni-Vibeが発売されたのは1960年代末。当時、独立したエンジニアとして仕事をしていた三枝さんの回路設計をもとに、日本の新映電気が製造し、アメリカのUnicord CorporationがUnivoxブランドで販売していた※2

 Uni-Vibeは現在では「フェイズ・シフター」と呼ばれるエフェクターの始祖のような存在で、位相を揺らして周期的な音色の変化を得るもの。ただし、Uni-Vibeの生むその音色は、その後に登場する同種のエフェクターでは決して得られない独特の浮遊感があった。

 ジミヘンが使ったことでUni-Vibeの名は後に広く知られるようになるが、生産された台数は少なく、現在の中古価格は20万円前後とヴィンテージエフェクターとしても非常に高価だ。もちろんメーカーも消滅して現在は存在しない。

 そこで様々なメーカーからクローンが発売され、またコピーされた回路図を元に自作も試みられているが、どれも「音が違う」というので、オリジナルのUni-Vibeはいまだに珍重されている。

 その1つの理由は、回路の中心にCdS(硫化カドミウムセル)が使われていたことが挙げられる。このCdSはRoHS指令の規制対象であるカドミウムが使われているため、現在は使うことができない。

Nuvibe

 そのUni-Vibeの音を、CdSを使わず、79個のトランジスターで再現したのが「Nuvibe」である。開発はオリジナル設計者の三枝文夫さんのもと、入社したての若いエンジニアである森川悠佑さんが担当した。なぜオリジナルと同じUni-Vibeが今まで作れなかったのか。そしてなぜこのタイミングで開発し、発売にいたったのか。いまだ謎の多いこのエフェクターの誕生と再生について、お二人にうかがった。

※1 コルグの復刻版が「Nuvibe」を名乗るのは、Uni-Vibeの商標をMXRなどのブランドを所有するDunlop Manufacturing, Inc.が所有するため。

※2 ジミ・ヘンドリクスが所有したUni-Vibeは、マイクロソフトの共同創業者ポール・アレン氏が設立したロック博物館「Experience Music Project Museum」に展示されている。

(次ページでは、「モスクワ放送からUni-Vibeの発想は生まれた」)

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