キーボードとフィルターで好みの音に調節
キーボードウインドウの上部左側では、通常、レガート、グリッサンドの3パターンからキーボードのレスポンスを選択可能。演奏レンジは上部中央の小さい鍵盤をスライドして調整します。上部右側では演奏するスケールを選択でき、Keyの設定もできます。日本語はほぼ直訳されているので多少不自然な表記もありますが、基本的なスケールおよびモードは全てプリセットされています。
キーボードウインドウの真上にあるフィルターパッドウインドウは、最大8パターンのフィルターセットを保存可能で、それらをシームレスに可変できます。各フィルターセットの中間のようなセッティングを自動生成してくれるので、思いもよらないようなサウンドを生み出してくれる可能性を秘めている面白い機能です。
複雑なシンセがシンプルなものに見えてくる
画面上部中央には音色のプリセットパッチの呼び出しウインドウがあり、ファクトリープリセットは12種類。あくまで基本的な音作りのテンプレートとして用意された、いわばベースセッティング的なもの。ですが、その音のレベルはなかなかで、「empty」を読み込めばいつでもフィールドをリセットできるのも便利です。
画面上部右の2つの「→」マークはポリ(複音)シンセ用スペースとモノ(単音)シンセ用のスペースの切り替えで、通常はポリスペースで音を作り、モノスペースでエフェクトをかけるように扱います。またそれぞれのスペースにまったく別のシンセサイザーを作ってセッティングしておくこともできます。
画面右端にはAudio Copy機能を使用するためのリストボタンと赤い丸のRECボタン、その下には音量レベルを調整するボリュームスライダーがあります。RECボタンを押すとそのタイミングでレコーディングは開始されます。特にクリックなどはないので、あくまで音色の確認やノイズ録音程度にしかならないとは思います。が、各ジェネレーターのパラメーター設定による、細かな違いを客観的に把握したりする分には便利かもしれません。
同時発音数は最大でも8音と決して多くはありません。ですが、オールドアナログシンセのVCOの迫力に勝るとも劣らないジェネレーター音源は、アプリとは思えないほどのリアルさです。
ジェネレーターと制御系の組み合わせだけでなく、エフェクトの掛け方ひとつでも音の表情を大きく変えられるので、プリセットに一味加えるだけでもかなり楽しめると思います。
イメージの上では複雑そうなシンセサイザーも、基本的にはシンプルなものの組み上げでできあがっているという点を楽しみながら理解するのに、Modal Proは最適なアプリだと感じました。
藤村 亮(ふじむら りょう)
1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。さらに、2013年11月にはヨーロッパツアーを終え、2014年1月1日から一日一曲アップロード企画「Daily Sound Scape」をSoundcloud上で開始。
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