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Apple Geeks 第145回

アップル「WWDC 2014」の見どころは4つある

2014年05月30日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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Beats買収の目的は?

 5月28日、噂されていた「Beats Music」と「Beats Electronics」2社の買収が正式に発表された。買収価格は30億ドル(約3000億円)、役職は明らかにされていないものの、共同創業者のJimmy Iovine氏とDr. DreもAppleに参加する。

「Beats Music」ロゴ

 気になるのは、その目的だ。技術力がある企業をたくみに(外注先として)使うことに長けたAppleのこと、Beatsの音が欲しかったとは考えにくい。Beatsは定額配信(聴き放題)サービスで先行しているとはいえ、Appleが同様のサービスを提供していなかった理由は技術的問題にあるわけでもない。欲しかったのはむしろ「b」ロゴであり、音楽業界における影響力と見るべきだろう。

 いずれにしても、音楽に関連した新製品・新サービスへのなんらかのコメントがあることは確実だ。Jimmy Iovine氏とDr. Dreが今後どのような役割を果たすのか、それがわかればBeats買収の背景が明らかになるに違いない。

「Beats Music」アプリ

iOSデバイスのハイレゾ対応はある?

 iOSデバイスがハイレゾオーディオに対応する可能性も濃厚だ。iOS 7以降のiOSデバイスであれば、44.1kHz/16bit以上のデータ量を持つハイレゾ音源を再生できるが、「iPad Camera Connection Kit」を使うというトリッキーな方法に頼らなければならない(関連記事)。今後はそのような非公式の方法に頼らなくてもハイレゾ出力が可能になる、という観測があるのだ。

これまでiPhoneでハイレゾ再生(USB DACへの出力)をしようとすると、iPad Camera Connection Kitを使うというトリッキーな方法に頼らざるをえなかった

 具体的な方法は不明だが、出力にはLightningコネクタを活用することも考えられる。Lightningにある表裏あわせ計4つある未使用の端子をオーディオ出力に利用できるとすれば、iOSデバイス単体でのハイレゾ再生が可能になるかもしれない。

 そうだとすると、iTunes Storeでハイレゾ音源の取り扱いが始まる、という可能性も浮上してくる。iTunes Storeで扱う楽曲はAAC 256kbpsと、Music Unlimited(AAC 320kbps)など他の音楽配信サービスに比べ見劣りする状況が続いており、その対策としてハイレゾ配信が始まっても不思議はない。

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