アマゾンに依存しない多様な作品流通の場を
いずれセルフパブリッシングにも厳しい世界が……
―― なるほど。では最後にセルフパブリッシングはこの後どうなっていくか、あるいはどうあるべきか、という鷹野さんの考えを教えてください。
鷹野 「映像の世界でいえば、YouTubeやニコニコ動画が登場して、作品の発表のあり方が一変しましたよね。それと同じような熱をいま凄く感じています。
iBooks、Google Playに加え、Koboのライティングライフも今年中に始まるということですし、いわゆる“黒船4兄弟”で直接作品が発表できる環境が整います。そこでは商業出版物とセルフパブリッシング作品が同列に並ぶわけです。
国内サービスも当然追随していくはずですし、今回話に出てきたようなセルフパブリッシングをサポートするサービスもたくさんあるわけですから、これらを利用しない手はないはずです。
Kindle、KDPの存在抜きでのセルフパブリッシングは考えられにくい状況になっているのは事実だと思います。ただ、だからといって自らを“キンドル作家”“KDP作家”とは呼んで欲しくないなと。
自費出版して○○書店に本が並んだからといって、自分のことを“○○書店作家”とは呼ばないですよね(笑)。
つまり、Kindle、KDPだけに依存するのではない形で、セルフパブリッシングを考えて行なって欲しいということなんです。アマゾンは“顧客優先”というポリシーのもと、これまでもサプライヤーに対して、厳しい条件を求めることで成長を続けてきました。
その彼らに“依存”し、結果として寡占を許してしまっては、いずれセルフパブリッシングを行なう作家に対しても、厳しい世界が待ち受けることになります」
―― なるほど、群雛の販売先が多様なのもそういった思いが背景にあるわけですね。
鷹野 「そうですね。群雛に参加するとBCCKSのレポート機能で、そういった販売先での売上レポートが共有され、印税のお支払いも行なわれます。作品を書くことに専念されている作家、作家志望の方にもこうした群雛や独立作家同盟の活動を通じて、そういった流通の大切さも知ってもらおうと思っています」
◆
漫画誌やファッション誌など雑誌の電子化が相次いでいる。本連載でも、電子雑誌Airを取材したが、セルフパブリッシング作品を集め、発表することにある種特化した群雛の存在はユニークだ。
これまでも、同人誌を電子的に販売しようという取り組みは行なわれてきたが、“場の熱量”が電子では演出できず、なかなか販売は厳しいというのが現状だった。群雛は、ある種そこを割り切り、イベントなどでサークル同士互いの同人誌を購入するようなイメージとも言えるだろう。
それでも、電子雑誌という1つのパッケージ、定期刊行、また、オンライン上での編集やアドバイスという“機能”が、作家を目指す人に与えるメリットは大きいはずだ。
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月刊群雛 (GunSu) 2014年 02月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~晴海まどか、笠井康平、竹久秀二、Kurokiti、山田佳江、鈴乃あみ、塩澤源太、海野李白(著)日本独立作家同盟
月刊群雛 (GunSu) 2014年 03月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~小形克宏、網葉きよら、米田淳一、緒形雄二、塩澤源太、しんいち、本城冴月、海野李白(著)日本独立作家同盟
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月刊群雛 (GunSu) 2014年 05月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~まつもとあつし、夕凪なくも、檀原照和、くみ、晴海まどか、しんいち、米田淳一、雅日野琥珀、王木亡一朗(著)日本独立作家同盟
月刊群雛 (GunSu) 2014年 06月号 ~ インディーズ作家を応援するマガジン ~堀正岳、ハル(@sakuraSoftware)、夕凪なくも、竹島八百富、檜原まり子、神楽坂らせん、しんいち、きうり、山田佳江(著)日本独立作家同盟
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