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システム基盤構築コストの5割超の削減を目指す

みずほ銀行のプライベートクラウドでIBM Power Systems採用

2014年05月27日 14時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 5月26日、日本IBMは、みずほ銀行とみずほ情報総研が「IBM Power Systems」などの製品により、プライベートクラウド基盤「みずほクラウド」を構築したことを発表した。グループ企業と共同で利用するみずほクラウドでは、2014年3月からチャネル系システムの稼働を開始したことが発表されている。

 みずほ銀行は、これまで業務特性に応じてOSプラットフォーム単位でのシステム基盤集約に取り組み、システム基盤構築コストを約3割削減してきた。今回のプライベートクラウド(AIX版)においては、最新の仮想化やプロビジョニング等の技術を活用して、“迅速な環境提供”、“効率的なリソース運用”を可能とした。サーバー、ストレージ、システム運用環境を一体で提供するみずほクラウドにより、システム基盤構築コスト5割超の削減を目指す。

 今回構築したみずほクラウドでは、IBM Power Systemsを本番環境向けに3台、開発および災害対策向けに3台採用し、「PowerVM」の仮想化技術を最大限に活用している。動的なプロセッサー能力の割り当てや、システムを稼働させたまま仮想サーバーを他の物理サーバーへ移動する「Live Partition Mobility」、各仮想サーバーのI/O処理を専用プロセッサーで行ない、コスト削減とともに柔軟な環境構築を実現する仮想I/O機能により、システム基盤の高集約化を実現しているという。

 また、みずほクラウドでは、プライベートクラウド環境のプロビジョニングに、システムイメージやリソースの管理、構成の自動化を支援するパターンテクノロジーを搭載する「IBM Workload Deployer (現IBM SmarterCloud Orchestrator)」を採用。 これにより、設計基準を満たした設定済みのシステム基盤をクラウドで配布できるようになり、従来2カ月を要していたシステム基盤構築を2~3日にまで短縮した。同時に、リソース使用状況に関するデータを収集・蓄積・分析する「IBM Tivoli Data Warehouse」でシステムリソース使用状況を把握することにより、リソースの利用効率を向上させ、キャパシティ計画にも活用している。

 ストレージシステムにはマルチベンダー環境をサポートする仮想化アプライアンス「IBM System Storage SANボリューム・コントローラー(SVC)」を採用。業務システムごとにストレージを個別に導入、管理するのではなく、ストレージプールとして管理することで、要求に対して柔軟に対応可能になった。また、ストレージの使用効率も向上し、ストレージコストの削減に貢献しているとのこと。

 現在、みずほクラウド上ではチャネル系システムが稼働開始しており、今後は決済系システムや情報系システムなどを集約していく予定。新しいサービスを提供する際やシステムの更改にあたっては、今後もみずほクラウドを利用し、システム基盤の標準化と集約化をさらに推進。品質の高いシステム基盤を短期間に構築していくという。

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