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自動車メーカーやロボ技術・IT企業等が競う自動運転カー

2014年05月23日 05時20分更新

文● 加藤 宏之(HEW)/アスキークラウド

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高速道路等で速度を一定に保つ自動車速維持をはじめ、前を走る車の自動追従や、車線からの逸脱を防ぐ自動ハンドル操作、駐車スペースへの自動駐車、自動衝突防止など、さまざまな運転支援技術が開発・実用化されている自動車。業界ではいまや、ドライバーがハンドルやアクセルを操作することなく、自動車が自らを運転する自動運転カーの開発で競争が激化している。

 目指すは自動車のロボット化=カー・ロボティクスだ。21~23日にパシフィコ横浜(神奈川)で開催された「人とくるまのテクノロジー展2014」では、日産自動車が電気自動車「リーフ」をベースにした自動運転車の展示とセンシングデモを披露。自動車に各種のロボット技術を導入して自動運転を実現させつつある。

 自動運転カーの開発に取り組むのは自動車メーカーだけではない。ベンチャー企業のZMP(ゼットエムピー)は、トヨタの「プリウス」をベースにした自動運転カーの自動運転実験のようすを記録。その映像と実験車両を同展で紹介した。同社は2001年に創業し、家庭向け二足歩行ロボットなどを発売したロボット技術開発企業だが、そこで培った技術を応用して09年から自動運転技術の開発を開始している。

 同社が構築したカー・ロボティクス・プラットフォーム「RoboCar」は、自動運転技術や先進安全技術、運転支援システムの開発をはじめ、車両情報や外部環境データを収集・計測・分析に有効。すでに多くの自動車業界や大学・研究機関等へ導入しているが、5月には世界大手半導体メーカーの米インテルからの出資を受け、技術開発をさらに強化させている。

グーグル自動運転カー
グーグル自動運転カー

 世界的IT企業の米グーグルも自動運転カーに注目している。同社では自動車の自動運転プロジェクトを推進し、自動運転カーの路上走行テストを実施しているが、昨年から取り組んでいる市街地走行テストが進展。4月末に公式ブログで、自動運転機能を備えたグーグルカーを撮影したYouTube動画を公開し、市街地を走行するテストのようすを紹介している。自動車の操作はもちろん、搭載したカメラを通じて周囲の車両やバス、自転車、歩行者などを認識。道路状況を検知して工事箇所は車線変更して通過する。

 さまざまな業界から技術を競う自動運転カー。今年の後半も各社がどのような技術を発表し、実験のようすを公開するか、それぞれの動きに注目したい。

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