写真からネイティブ4K動画をつくる
「MediaShow」のアップコンバート機能による動画変換は手軽に4Kコンテンツをつくることができて便利だが、もとの映像ソースにない情報はつくり出せない。ネイティブの4K動画に比べると、やはり映像の精細感は劣る。
そこで試してみたのが、プリインストールの「Corel VideoStudio X6 VE for TOSHIBA」だ。これは、4K解像度に対応したムービー編集ソフト。動画だけでなく写真を素材として扱うことも可能で、デジタルカメラで撮影した写真から4K画質のフォトムービーを制作することができる。
手順は、ソフトを起動したあと「追加」を選択して写真を取り込み、タイムラインに配置する。必要に応じてタイトルをつけたり、エフェクトをかけたり、複数の写真を取り込んだりしてフォトムービーを編集したあと、「ビデオファイルを作成」のメニューから「Ultra HD(4K)」を選べばOK。元の写真が4K以上の解像度(デジタルカメラの場合、約800万画素以上)なら、4K本来の精細なフォトムービーを作成することができる。
エフェクトの種類も豊富で、画像をモノクロやコミック調にしたり、渦巻きや万華鏡風に変形したりと、さまざまな表現が可能。画像の切り替わり時に挿入するトランジションも数多くの種類が用意されている。単純なスライドショーでは物足りない場合は、ぜひ本ソフトでフォトムービー制作にチャレンジしてみてほしい。
4Kディスプレイで映像編集するメリット
dynabook T954で動画を編集してみて改めて感じたのが、4Kディスプレイの解像度の高さ。「MediaShow」のようにGUIスケーリングに対応したソフトだとプレビューやサムネイルの画像が非常にきれいに表示されるので、ズームしなくても細かい部分が識別しやすい。しかも、フルHD動画を等倍で表示しても画面全体の4分の1でおさまってしまう。タイムラインやパレット類を表示させながら等倍でプレビューできるとなれば、作業効率は大きくアップするはず。映像編集者には非常に魅力的な制作環境だと言えるのではないだろうか。
現在、スマートフォンやタブレットの画面解像度は高くなる一方で、10インチクラスのタブレットだとフルHDを超える解像度が当たり前のようになってきている。こうしたデバイスで表示するコンテンツを制作する際も、本機のような4K対応PCは威力を発揮するだろう。その意味で本機は、映像編集者だけでなく、スマートフォンやタブレットのアプリ開発者、コンテンツ制作者にも、ぜひおすすめしたい製品だ。