今回のことば
「既存メガキャリアや、データ通信主体の既存MVNOとは異なる『LCMC(Low Cost Mobile Carrier』という新たなカテゴリーを形成する」(ケイ・オプティコムの藤野隆雄社長)
キャリアの通信料金は高止まり、MVNO事業者ももうひとつ足りない
ケイ・オプティコムが、低価格スマートフォンサービス「mineo(マイネオ)」を、2014年6月3日からスタートすると発表した。
同社では、5月13日午後2時30分から、先着1000人を対象に、月額基本料金を最大24ヵ月分無料にする「先行予約キャンペーン」を実施したが、翌日朝には申し込みが1000人を突破。24時間経たずにキャンペーンは終了した。キャンペーン終了後も申し込みが相次ぎ、同日午後5時には、SIMおよび端末をあわせ3000件以上の申し込みとなった。
mineoは、my(私の)、mine(私のもの)、neo(新しい)を組み合わせた造語で、高速LTE、音声通話、スマートフォンをセットにして、月額3590円で提供するサービス。先行予約キャンペーンでは、これが2610円で利用できるようになる。
さらに、mineoでは、必要なサービスだけを組み合わせて利用するといった契約も可能であり、利用者にあわせた柔軟な契約もできる。
ケイ・オプティコムの藤野隆雄社長は、「現在、モバイル通信サービスは、大手携帯電話事業者によるサービスが中心となっており、通信料金は高止まりしている。家庭における固定電話通信料は減少しているが、移動通信電話料が増加。世帯に占める通信料は年々増加し、家計全体を圧迫している。日本は、世界的に見ても携帯電話の利用料が高く、携帯電話利用者から料金の低廉化が求められている」とした。
一方で「しかし、MVNOによる通信料の低下がみられているものの、利用者が使いやすく、安心して選んでもらえるサービスは少ない。MVNOによる契約数は、移動系通信契約全体の1割以下に留まっている状況だ。当社は、これまで低価格で高品質な固定通信環境を提供することにより、近畿地方の通信の変革をリードしてきた。これまでの強みを生かしながら、スマートフォンに踏み出し、本格的にモバイルサービスを提供する。固定通信市場をリードした当社が、携帯電話市場でも安心で、利便性が高く、かつ低価格な市場を実現する。mineoにより、モバイル市場に既存メガキャリア、データ通信主体の既存MVNOとは異なる『LCMC(Low Cost Mobile Carrier』という新たなカテゴリーを形成する」と意気込む。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ