あの価格破壊的高性能イヤホン「DN-1000」を開発した台湾のDUNU-TOPSOUNDが、その上位機種に相当する「DN-2000」を発売しました。価格はeイヤホン、フジヤエービックともに3万4560円。うーん。ちょっとお高いんじゃないですか?
でも、2万2420円で売られている、あのDN-1000のクオリティーに、さらにコストをかけて作ったらどうなるのか。業界のヒエラルキーや各社製品の価格体系は果たして一体? などという余計な心配と期待を寄せつつ、DN-2000をしばらく試してみました。
結論を先に言ってしまうと、この製品の開発担当者は売れる音がどういうものなのか、かなり正確にわかっているようです。
ドライバー構成とハウジング構造はDN-1000を継承
ドライバー構成は10mm口径のダイナミック1基、バランスド・アーマチュア2基のハイブリッド型で、DN-1000と同じ。ハウジングの基本的な構造も、DN-1000のスタイルを踏襲しています。
ハイブリッド型というのは、中高域の解像感に優れたバランスド・アーマチュア型ドライバーと、低音域の量感に優るダイナミック型ドライバーを使い、そのいいとこ取りを狙ったドライバー構成です。AKG K3003の登場以降、ソニーもインナーイヤー型のラインナップ最上位機種として据えるなど流行の兆しを見せているわけですが、音質的にこれと思えるものは、実はそれほど多くありません。
部品点数も増え構造も複雑化することから、設計やチューニングは難しいようで、ユニット間の位相のズレのようなものを感じたり、特定の帯域にディップがあったりするものが多く、ハイブリッド型を造ろうとはしてみたものの収拾が付かないまま量産してしまったのではないか、そう思えるような製品も珍しくありません。
その中で滅多に出ない成功例がDN-1000だったわけです。DN-2000もそこを土台にして成り立っているので、まずドライバー構成に起因する特性の悪癖とは無縁です。