Markdown(MultiMarkdown)対応エディターも調べてみた
ASCII.jpのようなWeb系メディアの場合、HTMLタグや独自のタグを原稿内に埋め込み、CMS(コンテンツマネジメントシステム)で記事を生成しサイト上で表示している。片手で入力する場合タグ埋め込みが手間となるため、簡易なタグを記述しHTMLに変換できるMarkdown(MultiMarkdown)記法に対応したエディターも確認してみた。
いくつかテストしたところ、見出しや本文、リンクなど、Markdown記法に対応したエディターは多いのだが、画像や表組み(table)まで扱えるMultiMarkdownをサポートしたアプリは、少ないようだ。とりあえず見つけられたのは、「LightPaper Pro」「Draft」「Minutes Text Notes Pro + Sync」の3本。この3本では、Minutes Text Notes Pro + Syncが飛び抜けて高機能だ(無料版は「Minutes Text Notes + Sync」)。
Minutes Text Notes Pro + Syncは、テキストエディターとしてみるとごくごく普通のもので、Dropboxとの同期機能が目立つ程度にすぎない。その一方で、Markdown関連では、5種類のMarkdownプロセッサーを選択可能、数式表現サポート(ただし現状では実験扱い)など、かなり意欲的だ。
選択できるMarkdownプロセッサーは、John Gruber氏によるオリジナルの「Strict Markdown」、txtmarkベースのプチ機能拡張版「Extended Markdown」、tableやシンタックスハイライト対応の「GitHub Flavored Markdown」(一部未対応)、インラインHTMLサポートの「PHP Markdown Extra」、JSXGraphと組み合わせてグラフを描けるようにした「PHP Markdown Extra with <head> support」となっている。GitHub Flavored Markdownのサポートが完全ではない点は残念だが、プログラマーさん以外はPHP Markdown Extraにしておけばまず困らない。複雑な表組などが必要な場合はその部分のみHTMLタグを直接書けばいいからだ。
LightPaper ProとDraftは、作成中のデータに対する検索機能などを備えておらず、推敲や編集は後回しにして、「とにかく文章を書く」ことに特化している印象がある。DraftにいたってはUndo機能も備えていない(LightPaper Proは搭載)。そのため、LightPaper ProかDraftを使う場合は、ザックリ書いて細かな修正は他アプリで行なう、あるいは一般的なテキストエディターで書いておき、これらアプリで最終的にプレビューで確認といった使い方が効率的だ。